県内の2月の完全失業率(季節調整値)が2・0%となり、全国の2・3%を下回った。1972年の復帰以降、最も低い水準である。

 「全国平均の2倍」が枕ことばのように付いて回った沖縄の高失業率は、全国最下位の1人当たり県民所得とともに格差の代名詞だった。その失業率が単月とはいえ平均以下となったのは、エポックメーキング的な出来事だ。

 好調な県経済を背景に雇用情勢は着実に改善している。

 県の2月の労働力調査によると、労働力人口75万2千人に対し、就業者は73万5千人、完全失業者は1万6千人となっている。

 就業者は16カ月連続の増加で、「宿泊・飲食サービス業」「卸売・小売業」の伸びが目立つ。完全失業者は前年同月に比べ半減するなど大きく好転している。

 県は「観光需要の増加などによる県内景気の拡大」と「産業振興、企業誘致などの成果」と分析する。

 沖縄の失業率を押し上げるきっかけとなったのは、復帰直前に始まった基地従業員の大量解雇だ。復帰後、国費による社会資本整備が進められたが、企業誘致や製造業の育成は思ったように進まず、公共工事に依存する就業構造ができあがった。

 バブル経済崩壊後の90年代後半から2000年代にかけて、失業率は7~8%台に跳ね上がり、知事選のたびに大きな争点となった。

 改善がみられるようになったのは10年代以降。観光に加え情報通信関連産業の誘致、アジアの経済成長を取り込む施策が奏功した。

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 沖縄労働局が発表した2月の有効求人倍率は1・21倍で、3カ月連続で1・2倍台を維持し、企業の採用意欲が高い状態も続いている。

 ただ有効求人倍率の全国平均は1・63倍で、こちらはまだ差がある状況だ。さらに正社員に限れば0・55倍と低く、全国の1・18倍の半分にとどまっている。

 県内では働く人のおよそ2人に1人が、賃金が安く身分が不安定な非正規雇用である。正社員を希望しているにもかかわらず十分な求人がないというのは、「雇用の質」に関わる重大な問題だ。

 フルタイムで働いても非正規の平均月給は正社員の7割に届かない。同じように働きながら、これだけ差が生じるのは不合理ではないか。

 人手不足が深刻化しているからこそ、働く意欲を高める正社員雇用の拡大や待遇改善といった対応は待ったなしである。

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 この夏、浦添西海岸に開業する「パルコシティ」など小売業の新規出店、拡大に伴う人材争奪戦が激しさを増している。

 新施設が時給を押し上げる一方、資本力の弱い中小零細企業は人件費上昇に耐えられず人手不足に拍車がかかっている。もはや一企業だけでどうにかなるものではない。

 2020年の東京五輪終了後の景気の落ち込みもにらみつつ、政府と県が一体となって人材確保に向けた対策や、生産性の向上に取り組むべきだ。