県内最高齢、読谷村の津波蒲戸さん

 新元号が4月1日発表される。明治を皮切りに大正、昭和、平成と歩んだ沖縄県内男性最高齢の津波蒲戸(かまど)さん(110)=読谷村=は、五つめの元号に突入する。平成が終わるまであと1カ月。心境を聞くと「余計ジョートー!ジョートー」と笑った。(中部報道部・篠原知恵)

面会に訪れた娘のヨシ子さん(左)と話をしながらサーターアンダギーを頬張る110歳の津波蒲戸さん=読谷村・紅華の森

 「むのーみーらん(ものが見えない)」。入所する地域密着型介護老人福祉施設「紅華の森」に27日、蒲戸さんの歌声が響いた。白内障で視力をほぼ失い、ものが見えないことをユーモアたっぷりな歌にしていた。職員の支えで歩くときも、軽快なリズムに乗せて「ハイ!ヤー!ハイ!」。張りのある声は、階下にまで響くほどだ。

 発熱で2日点滴した昨年11月から体調不良は一度もなし。大正生まれの後輩入所者には「神様」に映るという。又吉光子さん(93)は「神様はごはん食べないけど、蒲戸さんは箸やスプーンを上手に使っていっぱい食べる。愛嬌(あいきょう)があってかわいい」。知花キヨさん(94)も「子どもたちのことを毎日心配してる。とっても頭がいい」と絶賛した。

 蒲戸さんは明治41(1908)年生まれ。琉球の制度を残した旧慣温存策が終わり、沖縄県制が施行される過渡期だった。

 四女知花ヨシ子さん(74)によると沖縄戦中、蒲戸さんは防衛隊に召集されたが、妻カメさん=88歳で死去=がヨシ子さんを妊娠中で、生まれるまで入隊が延期されて命拾いした。目の前に爆弾が落ちたという激戦を生き延び、戦後は米軍基地の車の塗装工などとして60年以上働き、子6人を育てた。

 たばこや酒と無縁の人生で野菜嫌い。天ぷらと三枚肉が大好物だ。五つの元号を経験することに、蒲戸さんは「何が何だかよう分からん」。そう言いながら、こぶし大のサーターアンダギーをあっという間にたいらげた。