―沖縄観光を発展させるための新税(観光目的税)を検討する委員会が、県へ導入に向けた提言書を3月20日に提出したね。そもそも「観光目的税」って何?

首里城(資料写真)

 「県が導入を目指す観光目的税は、地方自治体が使用目的を決めた上で徴収できる『法定外目的税』の一つで、得た財源を沖縄の観光振興に役立てるつもりなんだよ。観光関係者や有識者でつくる検討委員会は、県内の宿泊施設の利用客から『宿泊税』として、1人1泊の宿泊料が2万円未満は200円、2万円以上は500円を徴収する『2段階制』提案をしたんだ」

 ―どうして観光目的税が必要なのかな?

 「沖縄には毎年たくさんの観光客が訪れていて、その数は年々増加しているんだ。2018年の観光客数は984万人で過去最高だったんだよ。県も観光を柱とした沖縄経済の活性化を目指して、21年度までの観光客数を1200万人、観光収入は1兆1千万円を目指しているんだ」

 「ただ、観光客の増加で、交通渋滞や商業施設の混雑、ごみ問題など『オーバーツーリズム』と言われる観光の課題がたくさん出てきて、不満に思っている県民が増えているんだ。一方で、観光客の誘客や、満足度向上のため、充実した観光地づくりも求められているね。そのために観光目的税を設けて、得た財源を課題解決のために充てようというものなんだ」

 ―他の地域での導入事例はあるの?

 「日本でも有数の観光地の京都市では古都京都の景観保全のために宿泊税を導入。市内の宿泊客を対象に1人1泊2万円未満は200円、2万円以上5万円未満は500円、5万円以上は1千円の宿泊税を徴収しているよ。また、東京都も同様に観光振興を図る目的で、1万円以上1万5千円未満は100円、1万5千円以上は200円を徴収しているんだ。他にも観光客が多く訪れる大阪府や、金沢市も導入しているよ」

 ―導入に向けてどんな課題があるの?

 「実は、県へ提言した検討委員会の中でも、税額など運用方法を巡って意見が分かれたんだ。宿泊施設によっては時期で宿泊料が変動するので、観光目的税の徴収の手間が掛かるため、業務負担が大きくなるという意見もあるんだ。そのため税額を統一する『一律制』を主張する人もいるんだよ」

 「また、県内でもリゾート地の恩納村が、オーバーツーリズム対策や景観保全などの観点から独自で観光目的税の導入を検討しているんだ。もし、県と村が同時に導入した場合『二重徴税』となって、納税者負担が大きくなると指摘する声もあるんだ。今後県は、観光目的税の導入に向けて、宿泊業者や自治体などと調整を重ね、双方が納得のいく運用方法への理解を求めなくてはいけないね」(政経部・仲本大地)