【恩納】ミュージシャンの宮沢和史さんを招いた村文化情報センターの講演会が3月19日、村博物館であった。宮沢さんは「沖縄文化の継承~『唄方』を通して」と題し、沖縄民謡の魅力と音源保存活動、三線の棹(さお)の材料になるくるち(黒木)の植樹活動などについて話した。

沖縄民謡や三線の魅力を話す宮沢和史さん=3月19日、恩納村博物館

 宮沢さんは「沖縄民謡の魅力は三線の響きや琉球音階、そしてしまくとぅばの素晴らしさ。それをいつか記録しようと思いつつも、なかなか進まなかった」と音源保存活動を振り返った。

 行動に移したきっかけは、2011年の東日本大震災の経験。「一人一人が持っていた夢が一瞬で絶たれた。『いつか』は、頼りにならない言葉と気付かされた」と話す。12年から収録を始め、5年をかけて離島を含む沖縄全域の民謡245曲を収録したCD「唄方~うたかた~」が完成した。

 「歌い手で印象ががらりと変わるのも民謡の魅力。その人の息づかい、指づかいを後世に残せた」

 しまくとぅばを話せない人が増え、伝承の難しさにも触れ、「せめて、民謡で歌われている言葉だけでも残したい」と願った。

 また、くるちの植樹を行う「くるちの杜(もり)100年プロジェクト」も紹介。「100年としているが、200年はかかるね」と聴衆の笑いを誘いつつ、「200年後に、そのくるちで三線を作ることができれば、沖縄は戦争のない、平和な200年を過ごせた証になる。それを信じて取り組んでいる」と話した。

 会場には村内外から約130人が集まった。宮沢さんのファンという原本玲子さん(44)=恩納村=と古賀慶子さん(40)=読谷村=は、最前列で聞き入った。「未来のために、文化やそれを支える活動の大切さを知った」と講演の内容に共感した様子だった。