名護市役所庁舎の壁面に並んでいたシーサーたちが、4月3日の「シーサーの日」を前に全て撤去された。台風や塩害などの影響で朽ちたためだ

▼1981年の庁舎完成時に設置されたのは、台座から海を望む56体で、市内55の字と市庁舎自体を表していた。瓦職人が一体一体手作りし、市のシンボル的存在だった

▼撤去時まで残っていた45体のうち、状態のいい10体は名護博物館が保管。処分される予定だった残りは、市民団体が今後の活用を考えて引き取った

▼琉球の歴史書「球陽」に、1689年、東風平の富盛村でたびたび火災があり、八重瀬岳に獅子「八重瀬町富盛の石彫大獅子」を設置すると、火災はなくなったとの記録がある。この出来事がシーサーの始まりと言われ、災いを追い払う守り神として建物の門や屋根にも設置されるようになった

▼市庁舎に「2代目」を求める声もある。市庁舎の設計に関わった建築家の内田文雄さん(66)らは「名護市の元気につながる」と職人や芸術家にシーサー制作を呼び掛け、市に再設置を提案。クラウドファンディングでの資金調達も検討中だ

▼市側は「いろんなアイデアが出てくれば再設置を検討したい」としている。具体的な話はこれからだが、市民の平和と飛躍を見守る2代目シーサーたちに出会えることを期待したい。(吉川毅)