在沖海兵隊が2016年の米兵による暴行事件を受けて那覇市などでの外泊を禁止していた規制を、今年2月に解除していたことが3日までに分かった。これまで一部の兵士に限られていた自動車の運転免許の取得が、階級にかかわらず上司の許可を得て試験を受ければ取得できる制度変更も実施している。
 海兵隊は外泊や免許取得の制度を変更した理由について「海兵隊員と家族がこの地域の文化を楽しむ機会を得られるようにするため」と説明。在沖米軍トップの四軍調整官を務めるエリック・スミス中将は今年2月26日に制度を改定し、海兵隊のホームページに掲載されている動画で制度変更を説明している。
 海兵隊は勤務外の行動指針「リバティー制度」で基地の外で飲酒する際は午前0時までに店を出て、午前1時までに自宅に戻ることなどを規定している。
 16年に那覇市内のホテルで海兵隊員が女性を暴行した事件が発生し、海兵隊はリバティー制度に浦添市の牧港補給地区(キャンプ・キンザー)より南の地域での外泊を禁止する規制を加えていた。

沖縄の米軍トップ、エリック・スミス中将

来店に期待の一方、トラブルも心配

 在沖米海兵隊が勤務外の行動指針「リバティー制度」を緩和したことを受け、沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協)や那覇市内の飲食店関係者からは、事件事故の増加につながる懸念や、客足増を見込み歓迎の声が聞かれた。

 三連協会長の桑江朝千夫沖縄市長は「飲酒運転をしないなど法令を守るのは大前提だ」と強調した上で、「市長就任以来、制度の緩和を求めており、歓迎する市民も多い」と飲食店の客足増加に期待した。

 野国昌春北谷町長は「制度があることで米兵の緊張感も生まれ、一定の効果があったと思う。緩和で事件事故が増えないか心配だ」と危惧。米軍関連の事件事故が起きるたびに連絡の徹底を申し入れているが、今回の制度変更も報告がないとし「無視されている印象で遺憾」と語気を強めた。

 規制の緩和で浦添市の牧港補給地区(キャンプ・キンザー)以南での外泊禁止も解除され、那覇市内の飲食店を訪れる海兵隊員の増加も見込まれる。

 市内のミュージックバーには、週に3~4日ほど米軍人が酒と音楽を楽しみに来るという。店長の男性(27)は「米軍人が増えて売り上げが増えるのはもちろんうれしい。交流して文化の違いや言葉を学べるのがとても良い」と話す。

 飲食店を営む女性は「節度を持って楽しむという当たり前の行動をしてほしい」と強調。那覇市場振興会の新里俊一理事長は「住宅地近くで夜中に騒いでいるのを聞いたことがある。米軍関係者に限らず、飲むならマナーを守って楽しんでもらいたい」と語った。