うらやましい。理想の恋愛。お互いがお互いを運命の人だと信じて疑わない。最高の関係。愛を確かめあい、しかるべきタイミングで結ばれ、子を宿す。しかし手短にまとめると、こんなにも愛し合った2人が「黒人」として生まれたがため、引き離されてしまう物語だ。でも、登場人物たちは全てを諦めることはない。

ビール・ストリートの恋人たち

 愛しの彼が無実の罪で逮捕された後、自らの妊娠を知った主人公ティッシュは、子どもを産むことも、彼の無罪を証明することも、生きていくことも絶対に諦めず、努力を惜しまない。

 彼女の家族もまた、そんな娘を支える。しかし、でっち上げられた罪がもたらす代償は大きすぎる。監督は昨年「ムーンライト」でアカデミー賞作品賞に輝いたバリー・ジェンキンス。美しい映像に、しっかりと怒りを焼き付けている。(桜坂劇場・下地久美子)

◇桜坂劇場で6日から上映