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「選手と審判が同じようなものだ」 国交相の辺野古撤回取り消し 沖縄県が提訴を検討

2019年4月6日 07:38

 【東京】石井啓一国土交通相は5日、沖縄県による名護市辺野古の埋め立て承認撤回を取り消す裁決を下した。新基地建設を進める沖縄防衛局が撤回処分を不服として申し立てていた行政不服審査法(行審法)に基づく審査請求で「撤回は違法」と結論付けた。政府は県が撤回理由に挙げた軟弱地盤に関し、改良工事は可能との審査結果を得たことで、設計変更申請に向け、環境が一つ整うことになる。

新基地建設作業が進む米軍キャンプ・シュワブ沿岸部。手前はN4護岸=2月24日午前、名護市辺野古

県の名護市辺野古の埋め立て承認撤回を取り消す裁決を発表した石井啓一国交相=5日午前、国交省

主なポイント

新基地建設作業が進む米軍キャンプ・シュワブ沿岸部。手前はN4護岸=2月24日午前、名護市辺野古 県の名護市辺野古の埋め立て承認撤回を取り消す裁決を発表した石井啓一国交相=5日午前、国交省 主なポイント

 県は裁決を不服として、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会(係争委)」への申し出か、行政事件訴訟法に基づく提訴を検討している。

 国交省は昨年10月、防衛局が同時に求めていた撤回の効力を一時的に止め工事を可能とする執行停止の措置を取っていた。審査請求でも防衛局の主張が認められたことで、撤回処分そのものが取り消される。6日に裁決書が防衛局に届く見通しで、その時点で効力が発生する。

 石井氏は5日の記者会見で「県の撤回処分には理由がないと判断した」と述べた。県は軟弱地盤の存在で工事が困難なことや、環境保全が十分になされていないことなどを理由に挙げていた。

 岩屋毅防衛相は主張が認められたことを受け、記者会見で「普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現するため、地元の理解を得られるよう粘り強く取り組んでいきたい」と述べた。

 行審法は国民の権利利益救済を目的としているが防衛局が「私人」の立場で同じ国の機関である国交省に審査請求し、国交省が執行停止を決定したことに専門家からは強い批判があった。

 県は係争委に審査を申し出たが、今年2月に「執行停止決定の成立にかかる瑕疵(かし)があるとは言えない」として却下された。県は不服として3月、福岡高裁那覇支部に提訴している。

デニー知事「毅然と対応」

 国土交通相が名護市辺野古の埋め立て承認撤回を取り消す決定をしたことを受け、玉城デニー知事は「埋め立て承認取り消し(撤回)を適法に行ったものであり、取り消される言われは全くない。毅然(きぜん)と対応する」とのコメントを出した。

 玉城知事は、沖縄防衛局の審査申し立てを国交相が裁決したことに「あたかも選手と審判を同じ人物が兼ねているようなもの。今回の裁決は政府による『自作自演』であって、結論ありきのものである」と批判。

 その上で「ぶれることなく県民投票によって示された辺野古の埋め立てに反対する民意に添い、全身全霊をもって県民の強い思いに応えていく」と決意を新たにした。

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