泡盛の良さを全国に広めたい-。大阪府在住の司法書士で、泡盛マイスター歴8年目の伊藤薫さん(44)が、八重泉酒造(石垣市、座喜味盛行代表)の泡盛原酒が貯蔵された一樽(たる)を買い取る資金をクラウドファンディングで募っている。樽熟成の泡盛はブレンドされるのが一般的だが、樽の原酒を味わえるのは珍しい。7月2日までの期間で目標金額は200万円。6日午後9時現在で、136人が支援し、86%の172万8千円が集まっている。(政経部・川野百合子)

クラウドファンディングを企画した伊藤薫さん(左)と八重泉酒造の座喜味盛行代表(伊藤さん提供)

 資金を集め、樽で貯蔵された泡盛原酒を支援者らと共同購入する企画。購入するのは、八重泉酒造のホワイトオーク樽「ナンバー223」で11年貯蔵されている43・4度の泡盛原酒。ろ過など、製品化の工程を経て40度になる見込み。200万円が集まらなければ企画が成立せず、購入できない。

 樽で長年貯蔵した泡盛は、ウイスキーのような琥珀(こはく)色になる。酒税法と関連する通達などで、色の濃さが一定基準を超えると「泡盛」としては販売できないため、一般的には、加水したり複数の樽をブレンドしたりして、色を薄めて販売されている。今回の原酒は、加水も複数の樽をブレンドもしていないが、食物繊維を足して酒税法上は「リキュール」で販売する。

 仕掛け人の伊藤さんは、泡盛マイスターとして、関西地域を中心に、泡盛の飲み方や魅力を伝えてきた。酒類販売免許を取得し、「飲みにくい」というイメージを覆す独自の泡盛の開発・販売にも取り組む。イベントで泡盛ハイボールをはじめ、樽熟成の泡盛を紹介すると、泡盛初心者にも好評だったため企画した。ウイスキーファンの取り込みも目指す。

 1年に数%ずつ蒸発するため、430リットルの樽から720ミリリットル瓶で約300本しか作れない。支援は2700円から15万円まで9コース。一部のコースはすでに完売した。

 伊藤さんは「希少なお酒を得る喜びや、その過程のワクワク感を共有することで、泡盛への興味や関心をさらに深めてもらい、泡盛の新たな楽しみ方として提供したい」と話した。

 クラウドファンディングはhttps://www.makuake.com/project/awamori‐meister/