【市塚和枝通信員】ミラノ中心街にあるアンティーク美術を扱うギャラリー「ガレリア・ノビリ」でこのほど、那覇市首里出身の我如古真子さん(38)が紙すきのワークショップを開いた。日本文化に関心のある8人が参加し、伝統の技法に触れた。我如古さんは残り少ないイタリア生活で「沖縄で学んだ紙すきを通して、ミラノの人たちと楽しく交流ができれば」と意気込む。

 我如古さんは東京・女子美術大学短期大学部や沖縄県立芸大大学院で学び、大村文子基金「女子ミラノ賞」を受賞して昨年9月からイタリアに留学。ミラノ市内にあるブレラ国立美術学院で、紙すきをべースに、新たな表現手法を模索するための絵画や色彩学、製紙学を学んでいる。

 ワークショップには、沖縄を3回訪れ、大のファンになったという女性らが集った。「紙すきの技法を実践したり、水を使ったりすることで非常にリラックスする。出来上がった作品は欧州にない感性でとても気に入っている」と喜んだ。

 我如古さんのイタリア留学の目的は二つ。一つは、紙すきの伝統的な手法を守るファブリアーノ社が、コットン紙や古着を再利用して紙を作っていたという歴史に触れること。

 実際に昨年9月、同社に赴いて技法を体験した。その経験も生かし、同美術学院では、紙すきの透かし技法など突っ込んだ技を学ぶことができたという。

 もう一つはワークショップを通じて、子どもの想像力にどう働き掛けることができるのか、幼児への芸術教育にもどう役立つのかを確認すること。

 我如古さんは昨年12月、イタリア中部のスポレート市で開催された第1回ファイバーアート・ビエンナーレ展示会でも、同美術学院のラッベ教授に誘われ、紙すき作品を展示する機会に恵まれた。

「将来も機会がある限り、紙すきを通してイタリアと関わることができればうれしい」と話した。

(写図説明)イタリア人に紙すきの技法を伝える我如古真子さん(左)=イラリア・ミラノのギャラリー「ガレリア・ノビリ」