社説

社説[衆院補選きょう告示]基地と振興 論議深めよ

2019年4月9日 08:29

 衆院沖縄3区の補欠選挙が、きょう告示される。

 立候補を表明しているのは、自民党公認で元沖縄担当相の島尻安伊子氏(54)=公明、維新推薦=と、無所属で「オール沖縄」勢力が支援するフリージャーナリストの屋良朝博氏(56)。

 玉城デニー氏が知事に転じたことにより実施される選挙である。玉城知事誕生後、初めての国政選挙でもある。結果は知事の県政運営や夏の参院選にも少なからず影響を与える。

 島尻氏は参議員2期目の2015年、安倍内閣で沖縄担当相として初入閣し、その後、大臣補佐官を務めた。

 子どもの貧困対策など沖縄振興策に直接タッチしてきた実績を打ち出し、「復帰50年の先を見据えた沖縄づくり」を最大の争点と訴える。

 屋良氏は新聞記者として長く基地問題を取材し、退職後もシンクタンクなどで基地問題に関わってきた。

 新基地建設に反対する玉城氏の後継として、「新基地建設を伴わない普天間飛行場の閉鎖・返還」を最重要政策と位置付ける。 

 昨年の知事選を含めこれまでの選挙と違っているのは、島尻氏が普天間飛行場の辺野古移設「容認」を表明したことで、対立軸が明確になったことだ。

 先の県民投票では辺野古埋め立てに反対する票が総投票者の7割超に達したが、辺野古を含む3区で有権者がどのような判断を下すのか注目される。

    ■    ■

 争点は基地と振興策。

 新基地建設に関して、島尻氏は「普天間飛行場の危険性を一刻も早く除去するため容認せざるを得ない」との立場だ。移設問題への「道筋を示し早期解決を」と強調する。

 屋良氏は「辺野古不要の普天間返還プラン」を政策に掲げる。「米軍再編で空中給油機を岩国へ移転したように、普天間の機能を動かす議論をすべきだ」と主張する。

 全国に比べ深刻な状況にある子どもの貧困対策について島尻氏は「連鎖を断ち切る」と訴える。子ども・子育てに関することが沖縄関係予算の対象となるよう、次の沖縄振興特別措置法に組み込みたい考えだ。 

 屋良氏は玉城県政が進める「誰一人取り残さない社会」をサポートすることで子どもの貧困対策につなげたいと語る。沖縄振興策をこれまでの公共事業主導から、人材育成・社会福祉の充実にシフトさせたいと訴える。

    ■    ■

 3区の14市町村のうち今帰仁村を除く13市町村長が、島尻氏支持を表明している。 

 昨年の知事選で「オール沖縄」勢力の首長が少数だったことを考えると、島尻氏にとっては13市町村をどうやってまとめ、票を固めていくかが課題となる。

 初めての選挙に臨む屋良氏の課題は知名度向上だ。玉城知事の協力を得ながら、限られた時間でどのように政策を浸透させていくのか。

 基地と振興はいずれも沖縄の将来に関わる重要テーマである。二つの争点について有権者の理解が深まるよう活発な論戦を期待したい。

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