沖縄県糸満市の伝統祭祀(さいし)の一つ「2月ウマチー」が旧暦2月15日に当たる3月21日、かつての「南山グスク」の城下町、市大里で開かれた。

2月ウマチーで豊穣を祈る人々=3月21日、糸満市大里・高嶺小学校

 ウマチーは麦と米の豊穣(ほうじょう)を祈り収穫を祝う祭祀で年4回ある。2月は麦の穂が出て豊穣祈願し、3月が麦の収穫を祝い、5月、6月は稲の豊穣と収穫を祈り祝う。

 大里は、二つの村が一つになり現在の集落になったと語り継がれている。二つの村にはそれぞれに祭祀を執り行う女性「ノロ」がいて、その血筋が西銘ノロ方(かた)、山川ノロ方として現在に至っている。

 2月ウマチーの日、午前中はそれぞれのノロ方に縁の深い「カー」(井泉)など由緒ある地を巡って祈りをささげる「御願(うぐゎん)」し、午後4時からは南山グスク跡の市立高嶺小学校の運動場に西銘ノロ方、山川ノロ方の縁者が集まった。

 西銘ノロ方では3年前にノロを継いだ玉城房枝さん(72)が、山川ノロ方では琉球信仰の神職である「神人(かみんちゅ)」の玉城正幸さん(72)がそれぞれに属する門中の代表と酌を交わした。

 今年は、例年に比べて門中の人たちの参加が少なかった。房枝さん、正幸さん共に「先祖を敬い豊穣に感謝する文化が衰退していくのは寂しい」と漏らした。(崎山正美通信員)