人事異動に伴い名護市に転居したが、同僚は4月中旬まで入居できない「引っ越し難民」になっている。同僚は現在、入居できるまでホテルから出勤している

▼不動産業者によると、市内には空き物件が少ないだけでなく、運送業者の人員不足やハウスクリーニングの需要増も重なり、希望時期に転居できない人が多いという

▼やんばる生活は2度目だ。アパートやマンションが立ち並ぶ現在の名護の市街地とは違い、名桜大学に入学した1994年当時は物件自体が不足していた。業者から古いホテルの空き室やプレハブへの入居を勧められた思い出がある

▼結局、大学時代は恩納村に住んだ。海と山に囲まれた場所にある物件で満足だったが、しばらくして格安の家賃の理由が分かった。昼寝をしていると、「ドーン」という音で部屋が揺れ、跳び起きた。97年に本土に分散移転された米軍の県道104号越え実弾砲撃演習の音だった

▼国土交通省は、3月下旬から4月上旬に引っ越しが集中するため、引越時期の「分散」を呼び掛けている。県も今年、北部、宮古、八重山の遠隔地の住宅事情を勘案し、人事の内示を例年より1週間前倒しした

▼春は転勤や進学などが集中し、一斉に社会が動く時期。引っ越しを含め、集中を避けることで生まれるメリットはたくさんあるはずだ。(吉川毅)