社説

社説[F35B 普天間飛来]負担減の具体策を示せ

2019年4月13日 08:25

 米海兵隊の最新鋭ステルス戦闘機F35B10機が11日午後、米軍普天間飛行場に相次いで飛来した。宜野湾市内3地点で電車通行時のガード下に相当する100デシベル超を計6回、上大謝名では最大115・0デシベルを記録した。

 飛来したのは岩国基地(山口県)配備の10機とみられ、給油した後、同日夕には飛び立った。

 米軍は沖縄防衛局の問い合わせに所属や目的さえ明らかにしなかった。騒音被害を受けている市民がいるにもかかわらず、「作戦保全の必要性から航空機の移動や訓練の詳細には言及いたしかねる」と木で鼻をくくったような回答である。

 市によると、岩国配備のF35BやFA18スーパーホーネット戦闘攻撃機など外来機の飛来は昨年4月から今年2月まで計1455回に上る。特に昨年11月以降は、216回、135回、378回、189回と急増している。嘉手納基地の滑走路2本のうち1本を改修していることも一因とみられる。

 騒音被害を中心に、市民からの苦情件数が2018年度に684件と過去最高を更新したことでも裏付けられる。昨年12月の飛来時には1998年以来、最大値の123・7デシベルの騒音を記録した。

 市議会は今年2月、外来機飛来による騒音被害に関する抗議決議と意見書を全会一致で可決。松川正則市長も今月2日沖縄防衛局に抗議したばかり。常駐機だけでも耐えがたいのに、加えて外来機の飛来なのである。

    ■    ■

 F35Bは岩国基地に16機が新たに配備される計画が明らかになっており、計32機態勢に増強される。

 岩国と沖縄の基地は密接な関係にある。岩国に配備されても、訓練は沖縄周辺で行われることが多いからだ。普天間、嘉手納に加え、伊江島補助飛行場が使用されそうだ。同飛行場では強襲揚陸艦の甲板に似せた着陸帯が完成し、すでにF35Bが離着陸訓練を行っている。F35Bは離着陸の際の爆音がすさまじく、伊江島補助飛行場周辺では肉用牛が死んだり、死産・流産したりしており、因果関係の調査が必要だ。

 米海兵隊は普天間を2028米会計年度(27年10月~28年9月)まで継続使用するスケジュールを「19米海兵隊航空計画」に明記している。少なくとも約10年近く普天間の使用を念頭に置いているということだ。政府が「一日も早い普天間の危険性除去」というのは矛盾しているのだ。

    ■    ■

 住民約3400人が米軍機の差し止めと損害賠償を国に求めた第2次普天間爆音訴訟の控訴審判決が来週言い渡される。一審判決では違法な被害が漫然と放置されているとして同種訴訟では原告1人当たりの月額が過去最高となった。第2次訴訟であることが爆音に対する政府の無策ぶりを示している。

 政府は外来機を止めることもできず、米軍の運用に口を挟むこともしない。騒音に苦しむ住民ではなく、米軍を優先しているというほかない。

 負担軽減の具体策を一日も早く示すべきである。

「沖縄の基地問題」もっと詳しく。有料会員ならこんな記事も読めます。

 「翁長が恋しいです」流れ呼んだ妻の訴え 沖縄県知事選

 住宅の上を飛ばないで…「これってそんなに難しいお願い?」

 基地維持に「沖縄差別」を利用する米国 日本人の沈黙が支える過重負担

購読者プラン/デジタル購読者プランの会員なら、電子新聞も有料記事も読み放題! 


これってホント!? 誤解だらけの沖縄基地
沖縄タイムス社編集局編
高文研
売り上げランキング: 24,236
前の記事へ 次の記事へ
沖縄関連、今話題です(外部サイト)
JavaScriptをOnにしてください