大弦小弦

[大弦小弦]しっとりと咲くボタンやツバキ、梅・・・

2019年4月21日 08:48

 しっとりと咲くボタンやツバキ、梅。かつて首里城内を彩ったであろう絵が修復され、初公開されている。琉球の画壇に大きな影響を与えた中国の絵師・孫(そん)億(おく)の「花鳥図」3幅だ

▼首里城公園で7月2日まで開催されている企画展「王家の秘宝」の目玉で、尚家伝来の品という

▼孫億は17世紀後半から18世紀前半にかけ中国福建省で活躍した。中国へ留学した琉球の絵師は教えを受け、花鳥・山水図などの伝統的な画法や技を学んだ。今回の作品は1697年に描かれたもの

▼汚れやしわ、折れなどがあり、京都にある専門の工房に修復を依頼。顔料の分析なども行われ、1年に1幅、計3年かけ修復された。その結果、裏側からも彩色する丁寧な技法があったことが確認された。年代不明だが、過去に修復された跡も見つかった

▼首里城書院の所蔵目録にある掛け軸の可能性が高く、書院で掛けられたと考えられるという。書院は国王の執務室で中国の冊封使や薩摩の役人と会う際にも用いられた。かれんで優美な花鳥図は、琉球のさまざまな歴史の舞台に立ち会ったのかもしれない

▼特別展示室での公開と共に、レプリカが書院に展示されている。見る人に往時をしのばせる仕掛けだ。海を渡り今に伝わった美術品を通し、かつての琉球に思いをはせる。そんな時間があってもいい。(内間健)

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