沖縄県宮古島市は2019年度、県指定天然記念物の宮古馬管理する「宮古馬保存会」(会長・宮國博教育長)に対する補助金を、前年度比約2倍の615万円に増額した。多くは市や市教委などでつくる「保存会」が直接管理する6頭の管理費や人件費などに充てられる。保存会とは別に38頭を飼育する5戸の飼養者への補助金は、月額で1頭当たり千円増にとどまった。私財を投げ売って不足分を補ってきた飼養者らは「最低でも餌代は補助すべきだ」と求めている。(宮古支局・知念豊)

沖縄県指定天然記念物の宮古馬

 市の担当者によると、1歳以上の成馬1頭当たりの餌代は月に1万3千~1万5千円ほど。昨年度までの補助は3分の1の5千円だった。本年度から6千円になるが、依然として不足分は飼養者の負担頼みのままだ。

 ある関係者は「たった千円の増額では話にならない。厩舎(きゅうしゃ)の修繕費や餌代など、この数年で数百万円は自腹を切っている。別の飼養者は『これではやっていけない』と、3月末に保存会へ3頭を返したばかり」と厳しい実態を明かす。

 保存会事務局を担う市教育委員会によると、昨年9月に飼養者へのアンケートなどで要望を把握し、本年度の増額につなげたと説明。担当者は「飼養者にとっては十分ではないかもしれないが、少しでも負担軽減になってもらえたらと思う」と理解を求めた。

 県では天然記念物指定後、宮古馬の保護・育成と飼養者の体制作りを目的に、1992年から96年までの5年間で計298万円を補助した。頭数も増えたことから、一定の成果は出たとして補助は打ち切られた。

 県文化財課の担当者は「飼養者の現状は把握している。市と相談して何ができるか検討したい」と話した。

 市教育委員会の担当者は「有識者も交えた保存計画策定委員会を開き、その中でどのような補助ができるか決めていきたい」としている。