沖縄県那覇市山下町にある1955年創業の「ペリーもち屋」が、平成最後の日の30日に営業を終える。開店以来、餅を作り続けてきた店主の照屋トシ子さん(94)は「令和になったら思いっきり遊びたい」と閉店の理由を語った。

「昭和と平成はたくさん働いた。令和は思いっきり遊ぶ」と話す照屋トシ子さん=23日、那覇市山下町のペリーもち屋

 トシ子さんが夫の故忠男さんと共に現在の奥武山公園辺りにもち屋を開いたのは64年前。戦後の米軍統治下時代、山下町付近は山下奉文陸軍大将を連想させることからペリー提督にちなんだ「ペリー区」と改称されたとされ、トシ子さんたちは店の名前に使った。その後、公園建設に伴い、店は公園南側の現在地に移転した。

 メニューはトシ子さん手作りのあんこが入ったあんもち、多良間村の黒糖を使った黒糖もち、よもぎもちなどがそろう。「子どもたちには砂糖が入ったペリーもちが人気」とトシ子さん。値段も1個50円以下でお手頃だ。

 お盆やシーミーの時期になると店は大忙し。注文が多く入ると「午前2時に起きて作ったこともあった」と振り返る。23日午後は閉店を知った常連客がひっきりなしに店を訪れ、トシ子さんに「明日もまた来るね」と名残惜しそう。慣れた手つきで餅を紙に包んでいくトシ子さんは「ありがたいこと」と笑顔を見せた。

 店を閉じた後は家族を訪ねて「県外に遊びに行きたい」と言う。これまで風邪をひいたことがないというトシ子さん。元気の秘訣(ひけつ)を尋ねると「餅はあんまり食べないけど、自分で好きな食事を作って食べること」とちゃめっ気たっぷりに話した。(社会部・比嘉桃乃)