「体重がなかなか増えない」「食べるのに時間がかかる」。食事に関する相談が1歳半健診時に寄せられます。お口の中を検診すると、奥歯が生えている途中です。食事の内容を聞くと、親御さんたちと同じ物を一緒に食べているようです。

イラスト・いらすとや

 育児雑誌には「離乳食は生後○~○カ月ごろ」と掲載され、月齢を目安にしているようです。しかし、歯の生え方には個人差があります。「歯の発育に合わせた離乳食の進め方」をお伝えします。離乳期は食べ物がお乳から固形食に変わるだけではありません。この時期には吸う(強く吸う+飲む)から食べる(そしゃく+のみ込む)へと生きていく上で大きな能力を獲得します。

 生後5~6カ月ごろになると乳歯の下の前歯が生え始める事で舌の突出を止めやすくなります。この時期は滑らかなペースト状の食べ物で、スプーンを下口唇の上に置き上唇で食べ物を取り込むのを待つ事が大切です。

 生後7~8カ月ごろは口唇が閉じやすくなり、飲み込みや舌の使い方が上手になります。上下の前歯が生え、歯を支える骨も発育し、浅いお皿のようだった赤ちゃんのお口は深さのある器に成長し、口の容積が増えます。この時期は食べ物は舌でつぶしやすい固さ(絹ごし豆腐くらい)で、食べ物の大きさや固さを感知させるために舌の前の方に取り込ませます。

 生後9~11カ月ごろは上下の前歯が4本ずつ生えそろい、奥の歯茎に膨らみが出てきます。前歯を使ったかじり取りができ、奥の歯茎で食べ物をかみつぶせるようになります。食べ物は歯茎でかみつぶしやすい固さ(バナナくらい)となります。ただし、この時期は歯の生え方に個人差が大きいです。

 生後1~1歳半ごろは最初の奥歯が生え始めるので奥歯でつぶせる固さ(肉団子くらい)で歯によるそしゃくを促しますが、家族と同じ食事は難しいです。食べる事も学習の機会と考えるとよいでしょう。(加藤真由美 くばがわ歯科医院 那覇市)