「県民の足」としてはもちろん、「観光客の足」としても利用が高まるモノレールの車両を、現行の2両から3両へ増やそうとの動きが加速している。

 ゆいレールを運営する沖縄都市モノレール社と主要株主である県や那覇市などが22日、検討会議を開き「3両編成化が望ましい」との意見をまとめた。25日には玉城デニー知事や城間幹子那覇市長らが上京し、政府に支援を要請する。

 ゆいレールの2018年度の利用者数は約1905万人で、7年連続過去最高を更新した。03年の開業時、1日当たり約3万2千人だった乗客は、約5万2千人まで増加。今後予定されている浦添市延伸により、さらなる需要が見込まれている。

 検討会議が「現在の2両編成では輸送力が不足する」と結論を出したのは、30年の乗客数を1日約7万5千人とはじき出しているからだ。

 振り返ればモノレール事業は、採択から開業まで20年以上もかかるなど紆余(うよ)曲折があった。当時、大勢を占めていたのは「経営を維持できる乗客数は見込めない」といった否定的意見だった。

 しかしふたを開けてみると予想を覆す順調な伸び。近年目立つのは外国人観光客で、入域観光客の伸びに比例するように推移している。

 今でも時間帯や区間によっては混雑が生じており、利用者から不満の声がもれる。放っておけば観光地としての魅力を損なうことにもなりかねない。

 混雑緩和は急務である。

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 県は本年度予算に3両編成を検討するための調査費を盛り込んでいる。

 駅舎は3両に対応できる設計になっているものの、新しい車両の導入や駅のホームドアの改修、車両基地の拡充などに200億円以上の費用が必要とされる。 

 これまでモノレールに関する工事は支柱や桁などインフラ部は国庫補助により施工、車両や駅施設整備などはモノレール社が担ってきた経緯がある。

 モノレール社の収支は乗客の伸びに支えられ16年度以降、単年度黒字を達成。ただ初期投資の重さから、負債額が資産額を超える債務超過の状態は続いており、資金繰りはまだまだ厳しい。

 県などはインフラ外も含め広く国の支援を求めたい考えで、3両化にかかる費用をいかに確保するかが課題となっている。

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 菅義偉官房長官は昨年の知事選、今年の衆院3区補選に合わせて来県した際、ゆいレールの混雑を問題にし、3両化に言及した。

 「沖縄の優位性・潜在力を生かして日本経済活性化のフロントランナーに」というのが政府が目指す沖縄振興である。 

 戦後、米軍統治下にあって旧国鉄の恩恵を受けていない唯一の県という事情を考えれば、モノレールは自立的発展の基礎条件として必要な軌道交通である。

 国にはインフラ、インフラ外の区分にとらわれず柔軟な対応を求めたい。