言い間違いは誰にでもある。小学校1年生の時、「せんせー」と言おうとして「かあちゃん」と言ったことはないだろうか。それ以来、発言するときは気を付けるようにしている。

金城棟啓氏

 「言い間違い」は政治家の特技ではない。誰にでもある。「白魚のような手」というところを「カモシカのような…」。「助さん、格さん」を「金さん、銀さん」。「成就」を「成仏」…等。言い間違いに気づいた後、どうしたらいいか。考えた。即座に「なんちゃって」と言うのはどうだろう。許してくれるだろうか。

 昨年11月に女性活躍推進のシンポジウムがあり、パネリストとして登壇した。男性は僕一人。参加者も今回は何故か女性が多い。言い間違い・失言を想定し「なんちゃって」を準備して臨んだ。「働き方改革」が叫ばれ、女性活躍推進法の全面施行から3年がたったが、県内における「働く女性の意識」はどう変わったか。県経営者協会の女性リーダー部会が中心となって会員企業の女性社員を対象にアンケートを行い、結果をもとに開かれたシンポジウムだ。詳細は経営協のホームページにあるので、そちらを参照いただきたい。

 アンケートの結果は上々で、改善傾向を示している。僕が注目したのはアンケートの最後にある「自由意見欄」。男性中心の社会、男性優位の企業文化の中で、苦悩し葛藤する女性の生の声があった。僕は「変わるべきは男。家事も育児も介護も分担する時代だ」なんてことを、偉そうに唱えたのだ。

 さまざまな統計データがあるが、司法統計の中に「離婚の理由ランキング」というのがある。夫から申し立てた離婚の動機として、今注目されているのが「妻からの精神的虐待」。2000年度の6位から最新版(17年度)では2位に急上昇している。具体的には、口調がキツイ、いきなりキレる、口をきかない、夫の分だけ家事をしないといった妻の言動を指す。「妻がいる家」にストレスを感じる夫が急増しているとのこと。だから帰りたくない「帰宅拒否症」も増加。一体何が起きているのだ。働き方改革、ワークライフバランスはどこに行った。

 『妻のトリセツ』(黒川伊保子編著)という本が話題になっている。夫の何げない一言(言い間違い)が、妻の(理不尽な)怒りを引き起こす。夫にとっては「たったこれだけのこと」で、しかも10年も20年も前の出来事まで含めて、一気に何十発もの弾丸が飛んでくることになる。思い当たる方も多いのではないか。根本にあるのが「男性脳」と「女性脳」の違いだ。その違いに気付かないと大変なことになる。

 時代は「令和」となる。人生100年の時代到来だ。女性の活躍の場は広がり、女性管理職も増えていく。男性脳、女性脳を互いが理解し合うことが、これからの時代は必要だ。

 家事の分担を実践した。洗濯物を干す。簡単だ。しばらくするとツマが干し直している。ルールがあるらしい。男性脳は家事が苦手なのか。(なんちゃって)(琉球銀行会長)