「たった一瞬で、私たちの未来は奪われてしまった」。東京・池袋で起きた車の暴走事故で、妻の松永真菜さん(31)と長女の莉子ちゃん(3)を失った会社員男性(32)は記者会見で語った。「家族思いの妻」「宝物の娘」への思いがあふれた

▼真菜さんは県出身で、県内でも悲しみが広がってる。87歳男性が運転する乗用車が「アクセルが戻らなくて」猛スピードで横断歩道に突っ込み、自転車に乗っていた松永さん親子をはねるなどして約150メートル暴走。警視庁の調べでは、車に不具合は確認されておらず、現場にブレーキ痕もなかった

▼警察庁によると、過失が最も重い「第1当事者」となった75歳以上の交通死亡事故が2018年、460件に上った。全体の14・8%で割合は過去最高。事故原因は操作ミスなどが多かった

▼運転免許の自主返納は増加傾向だが、買い物や病院への通院に車が必要という高齢者は多い

▼特に車社会の沖縄では、より問題は大きいだろう。沖縄もすでに人口に占める65歳以上の割合が21%を超える超高齢社会に突入した。コミュニティーバスやデマンドバスなど交通インフラの整備や公的支援は急務だ

▼会見に踏み切った男性は、少しでも不安がある人は運転しない選択肢を考えるよう訴えた。思いに応えるためにも社会全体で議論を深め、対策を進める時だ。(内間健)