県内で景気拡大に伴う人手不足が深刻化する中、沖縄タイムスはこのほど、県内の主要ホテル120施設を対象に労働環境や働き方改革に関するアンケートを実施した。回答を得た39社のうち、84・6%の33社で人手が不足し、その多くで残業や休日出勤などによるスタッフの業務負担の増加、サービスの質の低下などを懸念していることが分かった。

国際通り

県内ホテルの人手不足の状況

懸念されている主な課題

国際通り 県内ホテルの人手不足の状況 懸念されている主な課題

 県が26日に発表した2018年度の入域観光客数は999万9千人で前年度と比べて4・4%(41万9100人)増え、6年連続で過去最高を更新した。

 観光客数の増加を追い風に、沖縄の経済をけん引する観光業だが、多くのホテルが人手不足にあえいでいる。アンケートに回答した39社中、8社(20・5%)が「かなり不足」、25社(64・1%)が「若干不足」と答えた。

 労働環境への影響(複数回答)については、20社が「残業などによる負担増」を挙げた。「やらなければならないことはあるがルーティンワークでいっぱい」(北部の中堅ホテル)、「休みが取れない」(中部や宮古島の中堅ホテル)、「他部署へしわ寄せがある」(宮古島の別の中堅ホテル)などの声が上がった。

 業務の負担増により、離職につながった事例もあった。また、働き方改革法で義務付けられる従業員の5日以上の有給休暇取得について、「残念ながら対応できそうにない」と悲観する企業も複数あった。

 スタッフが不足することで、「サービスの質の低下」を懸念するホテルも12社あった。「ピーク時にお客さまを待たせてしまう」(石垣島のリゾート)、「厨房(ちゅうぼう)スタッフの不足で食事メニューを制限」(那覇市内ホテル)、「営業店舗の閉鎖」(別の那覇市内ホテル)など人手不足による深刻な影響も挙がった。

 一方で、労働環境の改善やサービスの質向上に向け、23社が「外国人の採用」、19社が「時給アップ」に取り組んでいると回答。このほか、自動精算機の導入や有休取得・残業ゼロの奨励、保育所の併設など負担の低減や働きやすい環境づくりの工夫も見られた。

 アンケートは10日から17日にかけて、リゾート・シティーホテルなど120施設を対象にファクスで実施した。回答率は32・5%。