県は2018年度の入域観光客数が999万9千人となり、6年連続で過去最高を更新した、と発表した。

 台風の影響で7月と9月に航空便が欠航し、クルーズ船が寄港できなかったため国内客、外国客ともこの2カ月だけ前年同月を下回った。

 目標としていた1千万人にわずかに届かなかったものの、観光客1千万人の新たな時代の到来である。

 数字を押し上げたのは台湾など外国客の増加である。11年連続で過去最高を更新し、初めて300万人を突破した。街中で外国客の姿が目立つのを体感しているが、観光客の約3割を外国客が占めているのは驚きである。

 アジア諸国と結ぶ航空路線が拡充したことと、一度に多くの外国客がやって来るクルーズ船の寄港回数が増加したことが要因である。

 県は19年度の目標を1030万人に設定し、21年度の1200万人につなげたい考えだ。

 一方、観光収入は21年度に1・1兆円の達成を掲げているが、観光客数に比べ、簡単に実現できそうにない。

 17年度の観光収入は5年連続で過去最高を更新したが、6979億2400万円にとどまっている。

 1人当たりの消費額は逆に3・2%減の7万2853円と伸び悩み、平均滞在日数も3・68日と微減した。

 観光客数と観光収入のギャップが目立つ。

 観光関連産業で働く人にも好調な観光の恩恵が及ばなければ、持続可能な観光リゾート地とはならないであろう。

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 観光客数ではハワイと肩を並べるまでになったのに収入に大差があるのはなぜか。

 ハワイの観光収入は17年、約1兆8800億円に上る。1人1日当たりの消費額は沖縄とほぼ差がないのに、1人当たりの消費額が沖縄の約2・7倍となっているのは、滞在日数が約2・5倍と大きな開きがあるからである。

 沖縄にクルーズ船で来る外国客は上陸後の滞在時間が短い。観光地巡りやマリンレジャーなどの観光ができず、クルーズ船で宿泊するため消費額の約3割を占めるといわれる宿泊費が落ちない。

 県は本島と周辺離島を結ぶクルーズ周遊計画を描く。那覇空港第2滑走路の20年完成を機に、消費額が高い欧米客の誘客を視野に入れる。

 長期滞在し、消費額を上げるには、沖縄の自然や歴史、文化を生かした体験型の魅力ある観光資源を開発し、PRする必要がある。

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 国内外の観光客が沖縄を選んで訪れることはうれしいことだが、地域住民に弊害を与える「オーバーツーリズム」も表面化している。

 県が初めて実施した「沖縄観光に関する県民意識調査」で、観光客によるマイナスの影響として生活環境の悪化や交通渋滞、治安の悪化などを挙げた。やんばるでは、すでに夜間の騒音や交通事故など地元から不満が出ている。

 観光客が沖縄を存分に楽しむと同時に、地域の生活や環境も守る。それには観光客の分散化を図り、双方のバランスをとらなければならない。