前天皇陛下が退位した30日、沖縄県の那覇てんぶすビジョン(那覇市牧志)の大型モニターでは前陛下が退位前に最後の言葉を述べる「退位礼正殿の儀」の中継放送や、退位関連の特別番組が放映された。足を止めてモニターに見入った人々からは前天皇、皇后ご夫妻をいたわり、平和な時代を願う声が聞かれた。

最後の「お言葉」を述べる天皇陛下を映し出す大型ビジョン=30日午後5時8分、那覇市のてんぶす那覇前(金城健太撮影)

 30日午後5時ごろ、退位礼正殿の儀が始まると、飲み物やお土産を持って歩いていた観光客や家族連れが、続々と立ち止まった。国民への感謝や平和への願いを述べる前陛下の姿を人々は静かに見守った。

 「被災地に寄り添っていただき、本当にありがたく思う」。2011(平成23)年の東日本大震災で被災した福島県から、家族旅行に来ていた自営業の増子孝明さん47は感謝を口にした。令和の時代は「明るく平和で、元気な世の中になれば」と期待した。

 那覇市のパート貝盛竹美さん68は、ご夫妻に「お疲れさまでした。これからはゆっくり過ごしてほしい」と思う。ご夫妻が慰霊の旅を続けた一方で、心に傷を負ったままの戦争体験者がいることも感じている。貝盛さんは「新天皇、皇后両陛下も沖縄に心を寄せてほしい」と語った。