平成最後の日の4月30日、沖縄県那覇市山下町の「ペリーもち屋」が惜しまれつつ64年の歴史に幕を下ろした。店には多くの客が詰め掛け、店主の照屋トシ子さん(94)の作ったもちを頬張った。トシ子さんは「たくさんの人が来てくれて感無量。ありがとうございました」と感謝した。

営業最終日、もち作りに追われる照屋トシ子さん=30日、那覇市山下町(下地広也撮影)

もちを求めて、大勢の客が行列を作った

ペリーもち屋のもち

営業最終日、もち作りに追われる照屋トシ子さん=30日、那覇市山下町(下地広也撮影) もちを求めて、大勢の客が行列を作った ペリーもち屋のもち

 ペリーもち屋は1955年に創業。以来、シーミーやお盆など地域の年中行事を支えてきた。

 この日は、もち作りが追いつかなくなり、何度か店を閉めた。午後5時前には約100人の行列ができた。トシ子さんを手伝おうと、親戚だけでなく近所の人も作業に加わった。

 「中学の頃、部活帰りによく食べていた」という前田善久さん(47)=南城市=は子どもたちに懐かしの味を食べさせたいと妻の泉さん(41)と一緒に30数年ぶりに訪れた。娘の紗蘭さん(8)、愛菜さん(7)、息子の謙信ちゃん(3)はもちが大好きになったようで「もっと前から来たかった」と残念そう。一家そろって「ありがとう」とトシ子さんに伝えた。

 「この味はどこにも出せない」と話すのは幼い頃からペリーもちを食べてきた那覇市の平良優香さん(27)。娘の亜莉愛さん(6)もファンで「なくなるのは寂しい。これからはお母さんがペリーもちを作って」とせがんでいた。

 営業を終えたのは午後7時20分すぎ。トシ子さんは長男の和男さん(68)と共に店頭に出て集まった人たちに感謝し、トシ子さん自ら店のカーテンを閉めた。閉店後、「お客さんの顔が見られなくなるのは寂しいけど、本当に楽しかった」とトシ子さん。粉にまみれながら「明日からは遊ぶ」と、とびっきりの笑顔を見せた。