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  • 内閣府がテレワークの沖縄誘致へ関連施設の紹介サイトを開設した
  • 長期滞在型観光との両立を狙い、出勤せず仕事ができる環境を紹介
  • 実証実験で高い満足度が得られたが、周知や環境整備に課題が残る

 内閣府沖縄担当部局が、職場から離れた場所で仕事ができる長期滞在型テレワークの沖縄誘致に取り組んでいる。4月には県内のテレワーク関連施設を検索できるポータルサイトを開設。「沖縄は一年中、ワーケーション(ワークとバケーション)が可能」と魅力を紹介している。(東京報道部・大城大輔)

内閣府沖縄担当部局が公開している沖縄テレワーク関連施設が検索可能なポータルサイト

 ポータルサイト「その仕事は沖縄で」は、他者と共有して仕事をするコワーキングスペースや図書館など46施設を掲載。随時、更新していく。内閣府によると、特定の都道府県に限った関連施設の検索サービスは国内で初めて。

 テレワークはICT(情報通信技術)を使い、職場に出勤せず自宅や共有オフィスで仕事をする働き方改革の一環として期待されている。

 沖縄は年中温暖な気候で、春先の花粉症もなく、他県にはないテレワークに適した環境を有しているという。本来、仕事で長期休暇の取得が難しくても、滞在先で仕事ができれば、沖縄観光の課題でもある滞在期間の延長にもつながる。

 内閣府は昨秋、名護市で実証実験として8社25人を対象に体験ツアーを実施。サイトでは「通勤時間がゼロなので家族と一緒にいる時間を長く取れた」「重度の花粉症だが、沖縄に着いた時点で忘れるほど症状がなくなった」との声も紹介している。

 宮腰光寛沖縄担当相は「午前中に海で泳いで、昼からはテレワークでしっかり仕事をして、夜は琉球料理と泡盛。そういうようなことが可能で他県にはない、働く場所としての魅力がある」と語る。

 一方で、受け入れ環境整備や沖縄の優位性周知が課題で、内閣府は本年度「花粉症対策テレワーク」の体験ツアーや、沖縄がテレワークの適地であることを紹介する本土企業向けセミナーを開く。

経済効果に期待 環境整備が課題

 内閣府は昨年の名護市での実証実験などを基に、長期滞在型テレワークに関して、「労働生産性の低下もなく、高い満足度」と評価する一方、「実施する環境が少なく、沖縄の高いポテンシャルを生かせる環境ではない」としており、課題もある。

 8社が参加した実証実験と県外企業へのアンケート結果報告書を4月までにまとめた。

 実証実験参加者からは生活環境面の課題として、交通機関や近隣施設の情報提供、家族で滞在するための受け入れ態勢などが課題として挙がった。

 仕事の環境面では、高速インターネット環境の整備、仕事ができるコワーキングスペースなど民間店舗の情報提供の必要性なども指摘された。

 一方、実証実験の結果から県経済への影響も検討。長期型テレワーク参加者が増加した場合の県内経済への波及倍率は1・59倍と試算。2017年の観光に伴う波及倍率1・50倍より高く、約11億2千万円の経済効果が生まれることになる。

 17年の観光客数約958万人のうち「仕事」で訪れたのは約143万人(14・9%)で、このうち1%の約1万4千人が長期滞在型テレワークによる参加者と想定した。