あなたの心は今どこにありますか。過去ですか? 現在ですか? 未来ですか?

 私たちの心は、居ながらにしてどこへでも行く事ができます。過去へも未来へも、職場や学校へも。では、心はどこにあった方が良いのでしょうか。

 心療内科では、「うつ状態」の患者さんと多く出会います。話を伺っていると、その人の心が、「今・ここ」になく、まるでタイムマシンに乗っているように過去と未来だけを行き来して、「過去の後悔」と「未来への不安」に捕らわれ、頭の中で堂々巡りをしています。その結果、大量の精神的エネルギーを浪費して、「うつ状態」に陥っているのです。

 ですから、うつ状態から回復のためには、エネルギー浪費型の心の運転の仕方を、省エネ型に変えれば良いのです。そのためには、「今に集中する心の運転の仕方」をお勧めします。

 「今に集中する」とは、食器を洗う時は食器に視線を集中し、仕事中は仕事に歩く時は歩く事に集中してください。眠る時は、鼻腔(びくう)から出入りする空気の感覚に集中してください。同時に呼吸の数を数えても良いです。これも今に集中なのです。「今に集中」が、マイナス思考や不安な考えをはね返してくれる「盾(たて)」になります。

 考え事は5分ルールが良いです。5分考えたら「棚上げ」して、明日また棚から降ろして5分間だけ考えればよいのです。この棚上げ、棚降ろしの切り替えができればOKです。「私は棚降ろしばかりしています」いう方もいますが、これはNG(ダメ)です。

 過去というものはありません。過去は単なる記憶でしかありません。未来はまだ来ていません。私たちは生まれてから死ぬまで「今」としか出会えないのです。「今」が連続しているだけなのです。ですから「今」に集中して生きる事が大切なのです。

 うつ状態から回復した患者さんがよく、「『今に集中』は私を回復させてくれた魔法の言葉です」と言ってくれます。「今に集中」を実行する事で、うつ病から回復しやすく、また、予防も出来ますよ。(城間功旬 一銀クリニック 那覇市)