少子化が止まらない。

 「こどもの日」を前に総務省が公表した推計によると、日本の14歳以下の子ども(外国人を含む)は、前年より18万人少ない1533万人だった。1982年から38年連続で減少している。

 都道府県別で人口に占める子どもの割合が最も高いのは沖縄県の17%。全国平均は12・1%で沖縄は抜きんでている。子どもの割合は、社会を担う次世代の台頭につながり地域の将来性にも直結する。歓迎したい。

 一方、そんな沖縄でも子どもの数は減り続けている。今年4月1日現在、子どもの数が増えた都道府県は東京都だけだった。

 日本は諸外国に比べても子どもの割合が低い。フランスは2018年18・2%。アメリカは18・9%(16年)、イギリス17・8%(同)。同様に少子化が進む韓国でも18年12・9%と、日本の少子化は深刻だ。

 なぜ子どもが少なくなったのか。18年版少子化白書によると、夫婦が実際に持つつもりの子どもの数は1987年から減り続け、2015年は過去最低の2・01人となった。理想の子ども数を持たない理由としては「子育てや教育にお金がかかりすぎる」が56・3%で最多だった。

 しかしエンゼルプランをはじめ次々と打ち上げられた国の少子化対策プランでは、子育てや教育費の実質的な負担軽減策が打ち出されることはなかった。少子化はとまらず、公的年金をはじめとする社会保障制度が根幹から揺らぎ、かつてない労働力不足が起きている。この間の国の無策の責任は大きい。

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 沖縄の子どもの数は今年、前年比横ばいだった。前年までの減少がかろうじて止まった形だ。

 その沖縄では16年他県に先んじて子どもの貧困率を独自に推計し公表。県内の子どもの29・9%が貧困状態にあるという数字が県民に衝撃を与えたことは記憶に新しい。

 しかし子どもを抱える世帯の問題が見えたことは、実際的な対策につながった。数字に基づき県は30億円の対策基金を設置。県外の大学に進学する高校生を対象にした給付型奨学金の創設や、ひとり親世帯の高校生の通学費の一部を補助する事業など、教育費の実質的な軽減策を進める。

 昨年の調査では子どもの貧困率が25%に。負担軽減策が家庭に届いた可能性は高い。

 国会では、政府の保育園や幼稚園の無償化などを盛り込んだ子ども・子育て支援法改正案や、低所得世帯を対象にした大学や短大などの高等教育機関の無償化を図る新たな法案が審議中だ。それぞれ6月下旬に会期末を迎える今国会の焦点となっている。

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 実現すれば少子化対策としてほぼ初めてともいえる子育て費用の軽減策となる。一方で多くの待機児童を抱えたままの無償化や、一部の世帯に限った高等教育機関無償化の効果を疑問視する声もある。

 少子化対策には確実な予算の裏付けが必要だ。限定すれば各家庭への浸透は危うい。政府はその負担に正面から向き合うべきだ。