昨年7月の水害復興支援の一環でラオス南部のアタプー県に小学校を建てようと募金活動をしていた沖縄県内の高校生の代表3人が、3月26日から4月6日までラオスを訪れ、アタプー県知事に寄付金400万円を届けた。浦添市の国際協力機構(JICA)沖縄で4月28日、学校建設プロジェクトの報告会があり、高校生らが募金活動や現地の様子などを報告した。

アタプー県知事から贈られた感謝状を手に笑顔を見せる(右から)末吉未空さん、大城梨紗子さん、玉城デニー知事、金城伶奈さん、プロジェクトマネジャーの石原修さん、JICA沖縄の佐野景子所長=4月28日、浦添市・JICA沖縄

■SNSで募金活動

 水害は建設中だったダムの決壊が原因で、洪水により死者・行方不明者が出て、家や学校が流されるなど、大きな被害が出た。

 プロジェクトは国際協力を学ぶため同時期にラオスに滞在していた高校生16人が帰国後に始めた。街頭や会員制交流サイト(SNS)での募金活動で、ことし2月には目標額の400万円を達成した。

 メンバーを代表して金城伶奈さん(19)と末吉未空さん(17)=陽明高3年=、大城梨紗子さん(17)=コザ高3年=がラオスを訪ね、教育大臣や外務副大臣、アタプー県知事らと会談した。

 寄付金贈呈式は、入金ができていなかったことから中止になりかけたが、県知事の後押しで実現したという。大城さんは「社会主義国で上が決めたことは絶対なはずなのに、信頼関係でひっくり返す瞬間を目の前で見られたのは衝撃的だった」と振り返った。

 アタプー県知事は沖縄県民と玉城デニー県知事に感謝状を贈り、学校建設に着手した。

■国際協力の現場で

 3人は被災地の視察や教師体験、JICA沖縄の「草の根技術協力事業」の現場にも参加した。

 小学校で算数を教えた金城さんは「『1+1』ができない子が『5+8』までできるようになって喜んでいた。目が輝いていて心にずしっときた。これが一番心に残った」と語った。

 末吉さんは国際協力で日本側と現地の人との話し合いの場に同席した。日本側の提案に、なかなか理解が得られず、「国際協力の難しさ、在り方を考えさせられた」と強調。「人生観に影響を与えた、何にも代えられない12日間になった」と話した。

 大城さんは「ラオスのいいところや課題を見ることができ、進路が変わるくらい大きな影響を受けた。経験を沖縄や日本ために生かし、貢献できるようになりたい」と抱負を語った。

 募金活動や3人のラオス訪問は、草の根技術協力事業で現地の酒「ラオラオ酒」製造の協同組合強化や、貧困解消などに取り組む生活協同組合コープおきなわがサポートした。プロジェクトマネジャーの石原修さんは「『覚悟を持ってやりますか』と聞いたら高校生から『本気でやります』と返ってきた。純粋に一生懸命やっていた」と高校生の活動を評価した。