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「このままじゃ終われない」日本最重量級のエースと呼ばれた男、七戸龍が求める柔道

2019年5月14日 05:33

 柔道の世界柔道選手権東京大会(8月)の男子100キロ超級の代表選考も兼ねた4月の全日本選手権大会で、沖縄県出身の七戸龍(30)=那覇西高−福岡大出、九州電力=は2回戦で敗れた。23歳のウルフ・アロン(了徳寺学園職)が優勝し、小川雄勢(パーク24)が4強入り。若手の台頭が目覚ましい中、七戸がいちるの望みを懸けた来夏の東京五輪出場は極めて厳しい状況になった。それでも「このままじゃ終われない」と前を向く。(小笠原大介東京通信員)

全日本選手権1回戦、大外刈りで攻め込む七戸龍=4月29日、日本武道館(小笠原大介通信員撮影)

 七戸は2回戦で佐藤和哉(日本製鉄)に延長戦の末、反則負けを喫した。ロッカールームで悔しさをにじませながらも「ペースは悪くなかったが、絶好機での関節技を逃してしまった。勝負どころで慎重にいきすぎた」と冷静に敗因を語った。

 身長193センチ、体重120キロの恵まれた体格と長い手足を武器に、2014年のグランドスラムパリ大会ではオール一本勝ちで優勝。同年8月の世界選手権決勝では、五輪を始め世界大会のタイトルを総なめにしてきたフランスのテディ・リネールをあと一歩のところまで追い詰めるなど、日本最重量級のエースとして期待を集めた。

 だが16年のリオデジャネイロ五輪代表選考が懸かった大一番で、ライバルの原沢久喜、王子谷剛志らに敗れ、五輪はロンドンに続き2大会連続で落選。国内で勝ち抜くことの難しさを痛感した。

 今回、8月の世界選手権代表には原沢が決定。来夏の東京五輪選考レースをリードする形となったが、七戸は「可能性が完全にゼロになるまでやれることはやる」と諦めていない。

 「正直、引退のことも考えているが、自分の理想である“一本を取る柔道”がまだ完成できずに競技人生を終えることは、応援してくれる方々に申し訳ない。このままでは終われない」

 柔道家としての闘志は、まだ消えることはない。納得がいくまで道着は脱がず、柔の道を進む。

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