米軍嘉手納基地や普天間飛行場周辺の河川などから有害な有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)やPFOA(ピーホア)が高濃度で検出されている問題は、10日の衆院環境委員会で原田義昭環境相が調査に乗り出す意向を示した。だが、具体的な調査内容や時期は決まっておらず、米軍との交渉も絡むことから先行きは不透明。関係省庁との連携も課題となる。(東京報道部・大城大輔)

米軍基地周辺のPFOS・PFOAへの対応を巡る政府の発言

 汚染問題は2016年、県企業局の発表で明らかになった。県は沖縄防衛局を通じて米軍に立ち入り調査を求めているが、認められていない。米軍は、原因とみられる泡消火剤の流出事故との因果関係も認めておらず、県が独自調査を続けているのが現状だ。

3年置き去り

 政府の対応はどうか。防衛局は17年度に民間地で河川水などの調査をしたが、基地内ではサンプルを採取できていない。環境省も一般的な化学物質調査は実施しているが、この問題に絞った対応はしていない。

 環境省関係者は「米軍が絡むと防衛省や外務省、人体への影響となると厚労省なども関係してくる」と対応の難しさをにじませる。

 PFOSやPFOAは、ストックホルム条約に基づき製造や使用の制限、廃絶への動きにあるが「WHO(世界保健機関)などの国際機関で(基準が)確定していない」との理由で、国内では最低基準値すら設定されていない実態がある。

 環境委では防衛省の鈴木貴子政務官が、対応するにしても基準がないため「防衛省としては判断できかねる」と強調し、省庁間の連携不足を露呈する場面も。

 原田氏は「各省所管は違うが、3年間置き去りになっていたのは少し問題。政府としてしっかり受け止める」と述べ、連携強化の必要性を重ねて示した。

因果関係が壁

 政府の対応が遅れる間、県の負担は膨らみ続ける。

 県企業局は嘉手納基地に近い北谷浄水場で汚染を除去するため、16年度に緊急対策として1億7千万円かけ浄水場の活性炭を取り換えた。16カ所の「活性炭吸着池」で、従来は4カ所ずつ約8年ほどで順次取り換えていたが、担当者は今後、4年ほどの周期になるのではないかとみる。

 米軍基地由来との蓋然性(がいぜんせい)を高めるため17、18年度に約4千万円かけて地下水などのサンプリング調査も実施。企業局だけでなく、環境部も別途で調査している。

 県は16年度に緊急対策費の補償を要求。防衛局からは米軍基地との因果関係が不明なため「いかなる対応が可能か検討したい」との回答にとどまり、進展はないという。

 環境委で屋良朝博氏(国民民主)は、厚生労働省も含め前向きな姿勢を示したことを評価しつつ「沖縄県が一人で頑張っている状況だ。国としてどちらに責任が所在するのか、まったく宙に浮いている」と批判。「米軍基地」との特異性を理由にせず、具体的に対応するよう求めた。