北谷町桑江のアパートで米海軍3等兵曹(32)がアパートに住む日本人女性を殺害、その後自殺したとされる事件は13日で発生から1カ月がたつ。県警は当初4月末にも容疑者死亡のまま殺人容疑で書類送検する意向だったが、12日現在、送検には至っていない。

女性が殺害されたアパートで捜査する警察官ら=4月13日、北谷町

 捜査関係者によると、裏付け捜査に時間を要しており送検は6月以降にずれ込む見通しだ。

 県警は事件の発生直後から、アパートの防犯カメラの映像などから、第三者の介入は考えにくいとしてきた。女性の遺体解剖結果から、女性に抵抗した跡があることや、3等兵曹が部屋にいた幼い子どもに「お母さんを殺してしまった。ごめんね。自分も死ぬ」などと言い残していたことから、3等兵曹の犯行との見立てを示してきた。

 しかし被害者、加害者の双方が死亡し、幼い子どもを除いて状況を把握する者がいなかったことから県警幹部は「捜査は慎重にならざるを得ない」と話す。犯行に使われた刃物についても出所の裏付け捜査が続いている。

 事件の発生を受けて、県警と憲兵隊の連携の課題も指摘されている。

 米軍はことし1月、DVの疑いがあるとして3等兵曹が女性に近づかないよう軍事保護命令(MPO=ミリタリー・プロテクティブ・オーダー)を発令。県警担当者は「MPO発令が機能していると考え、女性の安全が担保されていることの一つの判断材料とした」と説明する。

 しかし事件発生後、女性周辺の証言によるとMPO発令後も3等兵曹から女性への付きまといや嫌がらせは止んでいなかった。

 こうしたことから、県警は今後、憲兵隊との現場レベルの情報交換にとどまらず、幹部級の連絡会議を検討するとしている。県警幹部は「(幹部級会議の実現で)より的確な判断が可能になるかもしれない」と説明した。