宝塚歌劇団月組の娘役として活躍している浦添市出身の玲実くれあさんが、タカラジェンヌとして最後の舞台公演に臨んでいる。6月9日の千秋楽をもって退団する玲実さんは2004年の初舞台以来、15年にわたって最高峰のステージに立ってきた。「一日一日悔いのないよう、心を込めたパフォーマンスを最後までお届けしたい」と語る。(東京報道部・西江昭吾)

「最後まで最高のパフォーマンスを届けたい」と語る玲実くれあさん=10日、東京宝塚劇場

月組公演「クルンテープ 天使の都」のフィナーレ(宝塚歌劇団提供)

「最後まで最高のパフォーマンスを届けたい」と語る玲実くれあさん=10日、東京宝塚劇場 月組公演「クルンテープ 天使の都」のフィナーレ(宝塚歌劇団提供)

 玲実さんは、東京宝塚劇場(東京・日比谷)で行われている月組の「夢現無双」「クルンテープ 天使の都」の2本立て公演に、月組70人の一員として出演。剣豪・宮本武蔵の半生を描く「夢現無双」では武蔵の母親役を演じている。

 アニメ「ベルサイユのばら」が好きだった小学6年の時、共にバレエを習っていた友人から教えられて知った宝塚の舞台。那覇国際高校在学中、狭き門で知られる宝塚音楽学校に合格し、夢の世界に飛び込んだ。一流の舞台人を目指し、厳しいレッスンが続く2年間の学校生活。「上下関係の厳しさ、規律正しい生活などカルチャーショックだった」と懐かしむ。

 晴れて90期生として歌劇団に入団。「好きなことに情熱を注ぎ、うまくなりたいと思いながら日々過ごしてきた。気付いたら15年という年月がたっていた」

 ファンの間で「ダンスといえば玲実くれあ」と言われるほど、華やかなスターが集まるタカラジェンヌの中でも踊りの技術や表現力に定評がある。

 「心掛けてきたモットーは?」と聞かれ「誠実に、ですかね」と答えた。一つ一つの舞台に対しても、観客に対しても、全身全霊を傾けて向き合ってきたという自負がのぞく。退団後も「沖縄出身であることを大切に、舞台の仕事を続けていきたい」と語る。

 かつて期待と不安を抱いて音楽学校の門をくぐった自身と重ね合わせるように、未来のタカラジェンヌを夢見る沖縄の少女たちに向けて「気負わずに『なんくるないさ』の精神で、ありのままの自分でチャレンジしてほしい」とエールを送った。