県内で、18日にも大型クロマグロの漁獲ができなくなる可能性が出てきた。県の管理する「知事管理量」が上限に達することに加え、国が漁法別に管理する「大臣管理量」で、近海かつお・まぐろ漁業の漁獲枠の上限にも近づいている。漁業者は「生活のため、ぎりぎりまで操業するしかない」と焦燥感を募らせる。小売店は「例年より早い気がするが、クロマグロがなければ、他のマグロで対応する」と冷静に受け止めており、小売り価格に大きな影響はなさそうだ。(政経部・川野百合子、仲田佳史)

大型クロマグロの漁獲可能量と採捕状況

 4~5月がクロマグロ漁業最盛期の県内で、停止命令が漁業者の生活や収入に与える影響は大きい。那覇市の漁業者、第21全力丸の大城力船長(51)は16日、クロマグロやキハダマグロなどを泊漁港に水揚げした。通常なら操業までに時間を空けるが、今回は水揚げ後、すぐに出航するという。大城船長は「資源管理の必要性は理解できるので、仕方のないこと。でも稼ぎ時で、生活も懸かっているのでぎりぎりまでは操業する」と話した。

 漁獲量の管理には、沖合漁業が対象で国が管理する「大臣管理」と、沿岸漁業が対象で県が管理する「知事管理」がある。知事管理は、都道府県別に漁獲可能量があらかじめ割り当てられているのに対し、大臣管理は、漁法別に分類し全国一括で管理される。県内のはえ縄漁業などは大臣管理のうち、近海かつお・まぐろ漁業に該当し、留保分を除き340トンが配分されている。

 県内の漁業関係者によると、16日午後6時時点で、大臣管理の近海かつお・まぐろ漁業の漁獲は320・4トンとなり、上限の94・2%に達した。留保分などを充てる可能性はあるが、近く、管理主体である全国近海かつお・まぐろ漁業協会(東京)などから、大臣管理の枠にも採捕停止命令が出るとみられる。

 クロマグロの水揚げがなくなった場合、県内の小売店では取り扱いが減る見通しだ。スーパーの担当者は「販売価格は変えない。仕入れが底をつけば、メバチやキハダといった他のマグロ類で対応していく」と冷静に受け止める。

 別のスーパー担当者は「生でなく冷凍もので対応することになる。『父の日』などの催事では価格が高くても生を求める消費者が多いため、仕入れられないのは痛いが、致し方ない」と話した。