ハッピーエンドは好きだけれど、何もかもがうまくいくというのはうそくさいな、と天邪鬼な性格の私は勝手気ままにうそぶく。だから、あんばいよく幸不幸が配置された映画はいとおしい。

12か月の未来図

 フランスの名門校で教鞭(きょうべん)をとるベテラン教師フランソワは、ちょっと気取って美人の前で教育論を語ったのが縁なのか運なのか、流れでパリ郊外の教育困難校への1年の赴任を承諾する。移民、貧困、保護者の無関心と不幸な環境は、子どもたちから未来への希望を奪っていた。

 過酷な環境でも、子どもたちは楽しみを見つけていく天才だ。でもそれが刹那的な喜びばかりだと未来を創造できない。フランソワの「学ぶことの喜び」を伝えようとする熱量に拍手しながらも、彼にも小さな幸せが訪れますようにと祈らずにはいられない。(スターシアターズ・榮慶子)

◇シネマパレットで5月17日から上映予定