沖縄県那覇市の国際通りで違法なごみの投棄が深刻化している。空き缶や空き瓶をはじめ、消火器や掃除機、廃タイヤがあることも。飲食店などが捨てに来ているとみられ、景観や通行の支障になっている。那覇市国際通り商店街振興組合連合会は「ごみがさらなるごみの投棄につながっている。取り締まりを強化するなど実効性のある対策が必要」と悲鳴を上げている。(社会部・比嘉桃乃)

国際通りに捨てられたごみ。不法投棄をしないよう呼び掛けるポスターの前に置かれていた=日午後2時半頃、那覇市の国際通り

国際通りに捨てられたごみ。不法投棄をしないよう呼び掛けるポスターの前に置かれていた=日午後2時半頃、那覇市の国際通り

 16日正午すぎ、国際通りでは多くの修学旅行生が観光を楽しんでいた。学生たちが歩く通り沿いには、飲食店が捨てたとみられる半透明のごみ袋があり、袋の中にはビールの空き瓶や空き缶などが入っていた。連合会によると、不法投棄は2年ほど前から目立ち始めたという。

 連合会に加盟する店舗はごみ袋に店舗名を記載した上で、業務終了後の午後8時~翌午前0時の時間帯に捨てている。ごみはその後、連合会が契約したごみ収集業者が回収する。一方、不法投棄されたごみ袋には店舗名の記載はなく、加入していない事業者が出しているとみられる。

 連合会の構成メンバーで、パレットくもじから松尾付近までを管轄する県庁駅前商店街振興組合は、月2回のクリーンアップ活動のほか、防犯カメラを設置したり、警告ポスターを張ったりしているが、効果は薄い。真喜屋稔理事長は「組合としての対応はもう限界だ」とこぼす。

 廃棄物処理法は、ごみを適正に処理しなかった場合「5年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金」などと定める。しかし不法投棄はあちこちにあり、業者の特定は容易ではない。

 那覇市廃棄物対策課は、不法投棄があれば周囲の店舗を回って処理方法を尋ね、適切な処理をするよう呼び掛けている。ごみの中身を確認して業者を特定し、指導して改善したケースもある。「ごみ処理は事業経費の一環。責任を持って処理して」と呼び掛ける。

 国際通りを管理する県南部土木事務所は、不法投棄されたごみに警告シールを貼り、1週間後をめどに回収している。だが最近は不法投棄が目立っていることもあり、前倒しして回収することも。「不法投棄があれば、さらにごみが捨てられていく。今後は市や警察、通り会と連携して解決に取り組んでいければ」と話した。

迷惑看板への指導も増加

 国際通りでは、客を呼び込むための「A型看板」も目立つ。看板設置は市の条例で迷惑行為と定められており、市による指導回数は年々増加。県庁駅前商店街振興組合は歩行者の通行の邪魔になったり、強風時には危険を及ぼしたりすることから、条例に罰則を設けるなど市への対応強化を求めている。

 A型看板には店のメニューや値段が記載されている。

 市の指導員たちによる指導回数は2016年度は7528回だったが、18年度は9724回に増加。罰則はないため、指導員が離れると、再び看板を出す店もあり、「いたちごっこ」が続いている。看板はすぐそばの店のものとは限らず、ビルの2階以上に入っている店や、一本裏通りにある店もある。

 市は2015年3月、「めんそーれ那覇市観光振興条例」を制定した。国際通りや沖映通り、パレットくもじ周辺を「迷惑行為防止重点地区」として指定。客引き行為や看板・商品の違法な設置行為、車両の違法な通行や駐停車は「迷惑行為」として是正指導の対象となっている。

 市は今後、県や警察、通り会などとの合同パトロールや店舗経営者への直接指導に力を入れる方針だ。条例の罰則化については「課題を整理して検討していく」とした。