ハンドボールの比嘉由紀乃(36)、名嘉山加奈恵(31)の両審判員はこのほど、日本リーグ(JHL)の最優秀新人レフェリー賞を受賞した。スピーディーで激しい接触もある競技で、どこからがファウルになるのか-を選手や監督に丁寧に伝えていると語る。「自分たちの姿を見て、まだまだ少ない女性審判員が増えたらうれしい」と意欲を燃やす。(又吉健次)

最優秀新人レフェリー賞の比嘉由紀乃さん(右)と名嘉山加奈恵さん=ANAアリーナ浦添

 浦添市の比嘉さん、南城市の名嘉山さんはともに競技経験者で高校の教員だ。ルールをより深く学んで部活動指導に役立てようと、大学時代の指導者の勧めもあって審判を志した。審判員にはA~Dの四つの級があり、2人はJHLや日本選手権などの国内大会で笛を吹くことができるA級を取得。6~7年前からペアを組んでいる。女性のA級審判員は、国際審判員も務める島尻真理子さんと合わせて沖縄で3人だけだ。

 リーグ主催のレフェリーアカデミーで2015年から3年間、年に5~6回通って県外大学リーグ戦などでジャッジするとともに座学も受講。18年にJHL審判員として登録した。

 デビュー戦は昨年10月、女子の三重バイオレットアイリス-飛騨高山ブラックブルズ岐阜。自信を持って判断した場面もあったが、比嘉は「選手がジャッジに不満な顔を示した場面もあった」と反省する。

 ルールは大切だが、あまりに厳格に判定すると選手の力や魅力的なプレーを引き出せなくなる。ゲームの流れを壊さないジャッジが求められることで、審判員によってどこで線引きするかの違いが生じる。2人は「どこまでを許容範囲とするか-を一定させることが大切。そうすることで選手は審判を信頼し試合をコントロールできる」と語る。

 気になるプレーは口頭で注意し、親指を立てるOKサインでファウルではないとの判断基準を伝える。外国人監督には身ぶり手ぶりを交えて説明することも。接触が激しくなるゴール周辺では、展開を予想してプレーの見やすい場所に先回りする位置取りも重要だ。

 2人は昨季、女子の4試合を担当した。JHL事務局によると判定がルール通りだったのか、公平だったのかなどを基準に、2ペアが新人賞に選ばれた。

 比嘉さんは「私たちはこうジャッジすると選手に伝えたことが評価されたと思う。勝っても負けても選手が納得して試合を終わらせたい」と喜ぶ。名嘉山さんは「新人で技量もまだまだだけど、丁寧に吹く姿勢が伝わったのでは。今後も選手や監督としっかりとコミュニケーションを取りたい」と笑顔を浮かべる。

 7月13日に開幕する新シーズンでも、2人は審判を続ける予定だ。比嘉さんは「ジャッジの技術を高めて憧れの存在になりたい。審判を通して沖縄に貢献したい」、名嘉山さんは「これまで以上にいい笛を吹き、ペアのカラーも出したい」と意気込んでいる。