監視ルームに入ってみた

 スタジオ・シティ・マカオの監視ルームは、どこにあるのか。カジノの出入口付近に扉があって、そこから入ることができる。いくつかの扉をくぐり抜けると、関係者以外絶対に立ち入ることができない監視ルームに案内された。

 部屋の広さは、学校の教室ほど。部屋に窓はないので、全体的に暗いムードが漂っていた。壁面に30~40インチほどのモニターが20台ほど並んでいて、中央にも巨大なモニターがドーンと設置されている。各机に5台ほどのモニターが設置されているので、担当者はそれをチェックしているといった感じである。

スタジオ・シティ・マカオには1日3万人以上が訪れる

フィリップス: 監視カメラはカジノのほかに、ホテルのロビーやレストランなどにも設置していて、全部で5600台ほどあるんです。そのカメラで撮影されたものをこの部屋で確認することができるのですが、映像の精度はどのくらいなのか。カジノのテーブルで、プレーヤーはどんなトランプを手にしているのかといったことまで分かるんですよね。

 実際に見ていただけますか? 彼は「スペードの8」を持っていることが分かりますよね。同時に、ディーラーはどのカードを配っているのかも分かるんです。トランプが入っている「シューター」内にセンサーが搭載されていて、誰にどのカードを配っているのかも、ここで知ることができる。こうした情報は、どのようなことに役立つのか。

 15年ほど前、私がこの仕事を始めたとき、こうしたシステムはなかったんですよね。なかった時代に、どんなことが起きていたのか。悪い人たちは、カードをすり替えていました。自分たちにとって有利なカードにすり替えていたので、カジノ側は莫大な損失が出ていました。しかし、いまは違う。悪いことをするのが難しくなっただけでなく、やったとしても見つかりやすくなりました。

 こうしたシステムを構築したことで、すべてのゲームを記録することができるようになりました。例えば、トランプをきちんとシャッフルせずに、順番通りに配るとどうなるのか。カジノ側は大きな損失を抱えるかもしれないので、トランプがきちんとシャッフルされていないときには警告が出るような仕組みになっています。

 特定のお客さんがものすごく勝っている場合は、どうするのか。その人はどういった行動をとったのか、すべてのデータを抽出して、不正があったのかどうかを分析することもできるんですよね。

 また、ゲームで使われていた道具もチェックしなければいけません。サイコロは細工されていないのか、カードは曲げられていないのかなど。決められた基準に反しているかどうかを、この部屋で確認しています。