出禁のデーターベースを構築

――「2日前のあのことを調べたい」「1週間前に遊んでいた、あのグループのことを調べたい」と思ったらどうするのですか?

フィリップス: 以前であれば、保存された映像を巻き戻して、ひとつひとつ見つける……といった作業を強いられていたのですが、いまは違う。条件を決めて、データを分析することができるんです。例えば「1週間以内に、1万ドル以上勝った人」といった形で検索すると、すぐに情報がドバっと出てくる。

 このほかに、レストランの支払いをめぐってトラブルがあれば、すぐにアラートのフラグが立つ。ドアを無理矢理こじあけて入ろうとする人がいれば、すぐにアラートのフラグが立つ。スロットマシンを叩く人がいれば、すぐにアラートのフラグが立つ。以前であれば、監視カメラをじーっと見ていて、「この人、怪しいなあ」と思えば、担当者に電話をして、現場に出動といった感じだったのですが、いまはアラートのフラグが立つのを待って、実際に立てばすぐに動くといった形が多くなりました。

――この部屋の中央に大きなモニターが設置されていますよね。カジノに入ってきたお客さんを次々に映し出していて、何人かの顔がアップになっています。これはどのようなことに使っているのですか?

フィリップス: カジノの入口付近に監視カメラを設置していて、そこで撮影された映像を分析しています。当カジノは、出禁のデーターベースを構築していて、もしその人が入場すれば、すぐに知らせてくれる。過去に犯罪を犯したり、何らかの事情で入場制限を課せられていたり。顔認証システムを使っているので、問題がある人が入場すれば、すぐに分かるんですよね。ただし、正解率は90~95%。というわけで、疑いのある人を別室に呼んで、本人かどうか確かめなければいけません。

 具体的にどんなことをするのかというと、映像を見てもらうんですよね。「見てください。これはあなたですよね」と。偽造パスポートを使ったり、普段とは違うビザを使ったり、何らかの形で入場することができても、顔認証システムを使えば本人かどうかを判断することができるんです。

 管理しているのは犯罪歴がある人だけでなく、ギャンブル中毒の人もチェックしています。「自分がこのカジノに入ったら、外に出してくれ」といった感じで、事前に申告している人はどうなるのか。顔認証システムによって管理されているので、もし入場してギャンブルをしようと思っても、すぐに別室に連れていかれます。