顔認証システムを導入してみて

――顔認証システムを導入する前後で、どのような違いがありましたか?

フィリップス: 現在、監視ルームには15~20人ほどのスタッフを配置していますが、以前はもっとたくさんいました。スタッフに写真を見せて、「この人が来たら、ちゃんと声をかけてください」と言っていましたが、人間の記憶は、それほど優秀ではないですよね。たくさんの写真を渡しても、全員の顔を覚えるのは難しいので、仕事の効率はものすごく悪かった。ただ、このシステムを導入することによって、検挙率は10倍になりました。

 人間の顔を覚える必要がなくなったスタッフは、いま何をしているのか。「この人は出禁かどうか」を見極める時間は大幅に削減することができたので、いまはカジノでゲームをしている人たちが不正をしていないか、その監視作業にチカラを入れるようになりました。

高さ130メートルの観覧車

――顔認証システムを導入したことで、想定と違ったことは起きていませんか?

フィリップス: プライバシーの問題で、他のホテルと情報交換は行っていません。ただ、当グループの3つの施設は同じシステムを導入しているので、情報をやりとりすることができるんですよね。例えば、Aさんは、Bホテルに行って、10分後にCホテルに行って、20分後にDホテルに行ったことが分かる。

 こうした情報は瞬時に知ることができるので、この強みを生かして、犯罪者を摘発することができました。どういうことがあったのかというと、AさんはBホテルでお金を盗みました。その後、AさんはCホテルに行っていたので、そこで御用に。結果、盗まれたお金は取り戻すことができ、本人に手渡すことができました。

 また、こんなこともありました。とあるお客さんはカジノで勝って、たくさんのお金を手にしました。しかし、よくよく計算すると、カジノ側は過剰に支払っていたんですよね。そのお客さんは違うホテルに入っていることが分かったので、そこでこのように言いました。「申し訳ございません。先ほどはちょっと支払い過ぎましたので、返金していただけないでしょうか?」と。