刑事裁判に国民が参加する裁判員裁判の制度は、21日で導入から10年を迎える。裁判員候補者が選任手続きに出向く出席率は全国的に低下傾向で、那覇地裁は2018年までの直近3年間で5割以下だったことが同地裁や最高裁の資料などで分かった。全国平均より17~20ポイント以上も低く、沖縄県民の理解が進んでいない現状が浮き彫りになった。制度開始から10年の累積出席率は全国が72・5%なのに対し、那覇地裁は55・2%だった。

裁判員選任手続きへの出席率の推移

那覇地裁で審理した10年間の裁判員裁判対象事件

裁判員選任手続きへの出席率の推移 那覇地裁で審理した10年間の裁判員裁判対象事件

 最高裁によると、全国の裁判員選任手続きの出席率は、制度開始時の09年に83・9%と最高値を記録したが、その後は徐々に低下。15年以降は60%台まで落ち込んだ。那覇地裁は09年の59・6%を皮切りに、その後は60%台で推移。16年には初めて50%を切った。18年(速報値)は49・9%だった。

 仕事などを理由に辞退した割合(辞退率)は、18年の那覇地裁は65・7%で、制度開始からほぼ60%台で推移している。累積辞退率は64・7%だった。

 10年間で扱った裁判員裁判対象事件は169件。殺人が38件(22・5%)と最多で、傷害致死29件(17・2%)、現住建造物等放火23件(13・6%)と続いた。初公判から判決までに要した日数(休日含む)は10年間で平均5・7日。最短は2日、最長は42日だった。(社会部・下里潤)

 裁判員選任手続き 選挙人名簿からくじで選ばれた裁判員候補者名簿を基に、候補者を抽出する。原則として辞退できないが、国会議員など裁判員になれない職業の人や70歳以上の人、学生、重い病気や親族の介護などやむを得ない事由がある人は辞退が認められる。最終的に事件と利害関係がある人などを除き、6人の裁判員が選ばれる。