沖縄県宮古島市はサトウキビやカボチャなどの農作物に被害を与える外来種のインドクジャクやニホンイノシシなどの駆除に力を入れている。2018年度の駆除件数はインドクジャクが300羽と過去最高となり、イノシシは35頭に上った。市の担当者は「農家から被害の報告も増えており、根絶を目指して取り組みたい」と話す。(宮古支局・知念豊)

 市によると、インドクジャクが宮古島に持ち込まれたのは1980年代後半、観賞用として小学校や施設に贈られたものが逃げだし、繁殖して定着したと考えられている。

 今では伊良部島を含めて市内全域で約2千羽が生息していると推測されている。市城辺保良ではニンジンの葉の食害やソバの茎を踏み倒すなどの被害が出ており、農家にとって深刻な事態だ。ソバは踏み倒されると出荷できず、2~3割ほど収穫が減ったという農家も出ている。

 市は2007年度から駆除に乗り出し、18年度までに1775羽を駆除した。しかし繁殖に追いついておらず生息数は減少していないとみており、本年度から新たに4~7月の卵を産む期間に探索犬を使って卵を駆除する方法に取り組み始めた。成体捕獲と合わせ、50年までの根絶を目指している。

 一方、イノシシも同様に島外から持ち込まれたもので現在、市南東部の海岸沿いに約100頭が生息していると考えられている。市城辺保良では、ベニイモやサトウキビの食害が発生した。16年度から本格的な駆除を始め、17年度は41頭を駆除した。

 市の担当者は「外来種は絶滅危惧種のミヤコカナヘビなどの希少種や固有種の捕食も危惧される。生態系保全も踏まえ、有害鳥獣の根絶に取り組みたい」と話した。