赤いエプロン姿で人さし指を立てて、決めぜりふは「すごいでしょ~」。ディスカウントストア、ビッグワンのCMに出演している石嶺店長(57)です。短い時間で商品の特徴を伝える笑顔が印象的ですが、お店での仕事と違う撮影現場では初め戸惑いがあったそうです。その経験から「やったことがないことでも工夫を重ねていくと、うまくいきます」と挑戦することの大切さを話してくれました。

「すごいでしょ~」 本社の中にある撮影用の部屋で収録する「石嶺店長」=4月29日、沖縄市海邦町・ビッグワン本社

商品を紹介する映像づくりの工夫などを話すビッグワンの「石嶺店長」

絵コンテを基に現場で修正しながら撮影していきます

「すごいでしょ~」 本社の中にある撮影用の部屋で収録する「石嶺店長」=4月29日、沖縄市海邦町・ビッグワン本社 商品を紹介する映像づくりの工夫などを話すビッグワンの「石嶺店長」 絵コンテを基に現場で修正しながら撮影していきます

 CMに出るきっかけは、泡瀬店の店長をしていた2017年、琉球朝日放送のテレビ番組「十時茶(ジュウジヂャー)まで待てない!」への生出演でした。宣伝するマットレスに寝て登場しました。バンド経験があり人前に出るのは好きでしたが、たくさんの人が自分に注目するテレビ撮影の現場は「勝手が違った」と、戸惑いました。初めのころは、緊張した表情のまま放映されたこともあったといいます。

 まずは、せりふを何回も読んで覚えました。「練習の積み重ねが自信になるんです」。自信がつくと、自然な笑顔が出るようになりました。今も商品の説明以上に意識するのは笑顔でいること。「お客さまも楽しくなってもらえるように」と考えています。

 CMは、主に沖縄市海邦町の本社で撮影しています。宣伝する商品を担当する社員が商品のアピールポイントや映像の構成案などを「絵コンテ」にまとめます。それを基に撮影し、あとで声を合わせて完成です。CMの時間は15秒と30秒の二通り。「時間内にするため、言葉を変えることもあります。声を収録する時、映像の口の動きに合わせるのが難しい」と石嶺店長。2年の経験を積んでも毎回勉強です。

 撮影したCMは、公開されなかったものも含めて約200本。決めの一言の「すごいでしょ~」は、絵コンテにあったせりふが定着したものです。今では見た人が笑えるポイントを作るよう工夫を重ねています。

 名刺の肩書は「店舗支援室室長兼社内タレント」。店舗支援室は店員の教育や人手が足りないときの応援をする仕事です。お店にずっといるわけではなく、店長でもありませんが、名刺では本名ではなく、おなじみになった「石嶺店長」と書いています。

 店頭に立つと、握手を求められるそうです。「店長のCMを見て買いたくなった」「だんだん上手になっている」という声がうれしいと言います。「見ていて飽きないCM」を追い求めて、これからもカメラの前に立ちます。