沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、政府、 名護市、建設地周辺の久辺3区(辺野古・豊原・久志)の三者が、各世帯の負担となる下水道の引き込み工事費を無償化する方向で調整していることが19日、分かった。対象は久辺3区。政府が同市に支給している米軍再編交付金を充てることを検討している。

(資料写真)護岸で囲まれた区域への土砂投入が続く名護市辺野古の沿岸部(小型無人機で撮影)

 下水道の引き込み工事費は、住民が負担した場合、一般的に世帯当たり30万円程度かかる。久辺3区の世帯数は3月末現在、約1600世帯あり、単純計算で約5億円が必要となる。

 世帯負担の無償化は、かねて3区が求めていた戸別補償の代替案の一つ。過去にも再編交付金による3区の下水道整備計画があったが、移設反対の稲嶺進前市長時代に政府が交付金を凍結したため、計画が進まなかった経緯がある。

 3区幹部の一人は「戸別補償の実施ができなくなったので、何ができるか模索している中の一つだ」と説明。政府関係者は「戸別補償は難しいので代替案をいくつか区に提案している。工事支援はその内の一つだ」と説明している。政府は市、区の3者で事業実施に向け調整する。

 国は昨年、市に2017年度の繰り越し分も含めて再編交付金29億8千万円の支給を通知。市はこれを財源に21億円超の基金を積み立て、給食費や保育料の無償化を始めている。