沖縄県浦添市の自宅で大麻を所持、栽培したとして、大麻取締法違反の罪に問われた沖縄県立大平特別支援学校の女性教諭(50)と、無職の夫(49)の両被告の判決が20日、那覇地裁で言い渡される。現職教諭が大麻所持容疑で逮捕された事件は大きな衝撃を与えた。なぜ事件は起きたのか。専門家は「大麻は簡単に手に入り、誰もが依存症になる可能性がある。早期に専門機関へ相談することで犯罪は防げた」と指摘する。

(資料写真)那覇地方裁判所

 関係者によると、被告女性は子どもたちに寄り添い、気配りができる教諭として保護者や同僚などから信頼が厚かった。大学入学前から障がい児教育を志し、演劇や音楽発表など子どもたちの能力を引き出す活動にも取り組んできた。

 うつ病を患っていた夫が大麻を栽培するようになったのは約20年前。被告女性は初公判で「教員である私の家で育てることに大きな抵抗感があった。何度も反対し、栽培をやめさせた。でも…」と言葉を詰まらせた。

 夫は、うつ病の症状改善のため処方薬だけでなく、漢方やサプリメント、ヨガ、体操など手当たり次第試したが、体調は一向に良くならず寝たきりのようになる日が続いた。一方、大麻を服用すると症状が改善したかのように見えた。被告女性は「他に手段はないのかも」と思い、誰にも譲渡しないことを条件に大麻栽培を認めるようになり、次第に自身も栽培を手伝うようになったという。

 薬物問題に詳しい「琉球GAIA」の鈴木文一代表は「大麻の入手、栽培は簡単で、体に悪いものではないという誤った認識が社会に広がっている」と指摘する。「公務員など事件が公になればリスクの高い人ほど通報を恐れて周囲に相談しにくい」と話した。(社会部・下里潤)