漫画が原作で実写版映画が公開中の「キングダム」は中国・春秋戦国時代の秦が舞台。「天下の大将軍になる」と剣で立身出世を目指す戦争孤児の少年と、中華統一の夢を語り、後に始皇帝となる若き王との出会いから始まる激動の物語が人気を集めている

▼特にビジネスマンからの支持が厚いという。王による明確なビジョンの提示や武将らによる戦略の組み立て、部下の士気の上げ方など経営やリーダーシップを学べる指南書として注目されている

▼漫画家を目指しながらも大学卒業後に企業へ就職し、システムエンジニアとして苦楽を味わった原作者の原泰久氏の経験が生かされていると知り、ふに落ちた。脚色はあるが、司馬遷の「史記」に忠実な展開も人気の理由の一つ

▼先日、リニューアルオープンした沖縄市で創業者支援を担う「スタートアップ・ラボ・ラグーン」代表の豊里健一郎さん(31)も自社の事務所に全巻をそろえる愛読者だ

▼「組織の成長過程や多才な人材の登用などこれから起業する経営者にとって学ぶことが多い。周りの若い創業者の間でも人気」と話す

▼経営者でなくても、組織人であれば多彩な登場人物を自らの立場に置き換えて楽しむこともできる。梅雨入りしたが、日照り続きで外は蒸し暑くなってきた。映画館で紀元前の中国の世界に浸ってみるものいい。(石川亮太)