水資源の大切さとダムへの理解を深めることを目的にした「ダムカード」が、全国のダムで無料配布されている。表にはダムの写真、裏には貯水池の容量や建設技術などの情報が載っており、マニアにはたまらないようだ

▼先週末、国が管理しているやんばるの九つのダムを巡った。31日までは前天皇陛下の在位30年を記念したカードも配布されているため、県外から訪れた人も多かった

▼県内最大の貯水量を誇る東村の福地ダムの資料館には、水を得るために苦労してきた歴史を伝える資料が展示されている。県外からカード収集で訪れた男性は「沖縄の水の歴史を初めて知った」と興味津々だった

▼沖縄の近代水道の始まりは、那覇市で最初に水道が誕生した1933年だが、44年の10・10空襲で水道施設は破壊された。戦後は各地で簡易水道が建設されたが、日本復帰までは井戸や雨水などに依存。水資源の開発や水道施設の整備拡充は日本復帰後だ

▼ダムの整備が進み、本島では94年以降で渇水による断水はない。一方で、基地由来の有害物質汚染が指摘されるなど水の安全が脅かされている

▼水は命の源。蛇口をひねれば出てくる水はありがたいが、危険性があるなら安心して飲めない。国内外から訪れる観光客も水を利用する。安心安全の確保は県民だけの問題ではない。(吉川毅)