「世界で一番皮肉な風刺漫画家の映画」という事前情報だけで見始めたら、衝撃の連続。私をとりこにしたのは、歩道も車道も関係なく、原付き並みのスピードで電動車いすを大暴走させる破天荒男。四肢が不自由なその男は、不自由な腕で器用に酒ビンを支え、グビグビ飲む。酒がなくなるとわめき散らす。彼の名は、ジョン・キャラハン。もともと、重度のアルコール依存症だった彼は、車の事故で車いす生活を余儀なくされ、ますますアルコールに依存。映画は、キャラハンが、どん底生活から、漫画家として名声を得るまでの、涙ぐましい改心の過程を描く。

ドント・ウォーリー

 周囲の人間がどんなに支えてあげたいと思っても、本人の意思がなきゃ無理。「俺は変わる」と覚悟を決め、努力するキャラハンを、「俺、まだ本気出してないだけ」と豪語してる人に見せたい。(桜坂劇場・下地久美子)

◇同劇場で6月1日から上映