沖縄都市モノレール(ゆいレール)の3両編成化が早まりそうだ。歓迎したい。

 宮腰光寛沖縄担当相が2020年度の概算要求で、沖縄振興一括交付金のうちハード交付金を活用し、補助率を8割に引き上げて「3両化導入加速化事業」として予算確保する方針を示した。

 モノ社などは22年度末から段階的に導入する方向で調整。初年度は数台導入し、その後、3両編成を増やしていく考えだ。当初、30年までの3両化を計画していた。

 最大のネックは3両化には200億~290億円かかると試算される資金だった。

 従来、インフラ以外のハード交付金の補助率は県が10分の6・38、那覇市と浦添市が10分の5・5で、3自治体側にも、36~45%の歳出負担が生じていた。

 内閣府が車両なども含め8割まで補助率を引き上げるため、資金調達に一定のめどがついた形だ。4月には玉城デニー知事ら4者代表が菅義偉官房長官や宮腰氏に財政支援を要請していた。

 今年10月1日に浦添市側の4駅へ延伸する。東京五輪・パラリンピックが開催される20年の3月末には那覇空港第2滑走路が供用開始予定である。利用者が大幅に増加するのは間違いなく、3両化の早期導入は観光客誘致の観点からも必要不可欠だ。

 モノ社は単年度黒字になったとはいえ累積赤字が続く。3両化に伴う一定の負担ができるか、県と2市が負担割合で折り合えるか、車両基地の拡張整備の調整も必要だ。

 モノ社が概算要求に間に合うよう需要予測やスケジュールを盛り込んだ具体的な導入計画を早めに提出することが大前提である。

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 ゆいレールは03年に開業。県民の通勤、通学のみならず、那覇空港と直結し、観光客の需要も高まっている。

 来春をめどに「Suica(スイカ)」など10種類の全国共通IC乗車券を導入するなど観光整備に努めている。改札口付近での混雑解消や利便性向上につながるだろう。

 国内外からの観光客数は18年度999万9千人に上り、過去最高を更新。ゆいレールの乗客数も好調だ。同年度は約1905万人に達し、9年連続で過去最高を更新した。浦添延伸で1日1万人増え、年間では2270万人へ増加すると試算している。

 時間帯や区間によってはいまでも買い物袋を抱えた外国人観光客が多くみられ、一度に乗り切れないほど混雑が激しい。沖縄観光のマイナス要因になりかねない。

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 19年度の沖縄関係予算は18年度と同額の3010億円。沖縄振興一括交付金は1093億円。5年連続の減額で過去最低だった。このうちハード交付金は532億円で47億円減った。いずれも減少傾向が続いている。

 3両化に向けた予算規模は現時点ではっきりしないが、ハード交付金が減額される中で、3両化の恩恵を受ける那覇、浦添両市はいいとして、それ以外の市町村の理解と協力を得ることが大切だ。県全体のバランスをどうとるのかも課題である。