「このまま対策を取らなければ、2050年には海洋プラスチックごみの量が魚の量を上回る」というショッキングな予測を3年前、世界経済フォーラムが発表した。

 プラごみを巡っては、「リサイクル資源」として受け入れてきた中国が昨年、輸入を禁止し、行き場を失ったごみの不法投棄が各地で問題となっている。

 今月末、大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合の最大テーマの一つが、この海洋プラごみ問題だ。

 G20を前に政府は、プラごみの海洋流入を減らすための行動計画をまとめた。併せてプラスチック資源循環戦略と、海洋漂着ごみ対策の新たな基本方針を決定した。

 循環戦略では、食品容器などの使い捨てプラスチックの排出量を30年までに25%削減し、廃家電を含む全てのプラごみを35年までに100%有効利用する目標を掲げる。小売店にレジ袋の有料化も義務付ける。

 基本方針には、洗顔料や歯磨き粉に含まれる微粒子「マイクロビーズ」の使用抑制を盛り込んでいる。

 国内対策強化に向けた数値目標自体は意欲的に映る。ただ対象となる基準年があいまいで、産業界との調整も遅れている。レジ袋有料化の義務付けについても個人商店やコンビニ業界の反発が予想される。

 G20議長国として「リーダーシップを発揮したい」という気持ちばかりが先行し、実現への明確な道筋が見えてこない。

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 経済協力開発機構(OECD)などによると、世界のプラごみ発生量は3億トンを超える。1980年代の約5千万トンから6倍も増加しているのだ。

 そのプラごみのほぼ半分がペットボトルやレジ袋など使い捨て製品で、毎年800万トン以上が海に流れ込んでいるという。日本も6万トンを流出させていると試算されている。

 問題は多くの国でプラスチック製品の規制が始まっているのに対し、日本の取り組みが遅れていることだ。

 既に83カ国でレジ袋の無料配布が法律で禁止され、27カ国でストローなど特定の使い捨て製品の使用が禁じられている。欧州連合(EU)の閣僚理事会は、使い捨てプラスチック食器や発泡スチロール容器を禁止する新規則案を承認した。

 「周回遅れ」と指摘される国内対策をいかに国際水準に近づけるか。さらに踏み込んだ排出削減策が求められる。

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 島しょ県で四方を海に囲まれた沖縄には、アジアを中心に海外から大量のごみが漂着し続けている。海岸の生物からマイクロプラスチックが検出されるなど、生態系への影響も懸念されている。

 ボランティアらが取り組む海岸清掃活動はもちろん重要だが、海洋汚染を防ぐには足元から排出抑制に努めなければならない。

 日本は米国に次いで1人当たりのプラごみ廃棄が多い国だ。大量生産、大量消費といったプラスチック依存の生活を見つめ直す時である。